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「JR崩壊」  梅原 淳著

  JR北海道では昨年9月の函館線における貨物列車の脱線事故をはじめ、車両故障や火災事故が相次いだ。こうした問題を生み出した背景である「千歳線以外はすべて赤字路線」「国鉄時代に廃止が決まっていた路線を除けば、整理できたのは深名線だけ」「運賃・料金は安すぎる」など、JR北海道が抱える難点を次々と指摘。また、大小4つの労働組合が存在し、互いに対立し合っているという特殊な事情にも触れる。
 さらに、1987年の国鉄分割民営化の際にはすでに予期され、警鐘を鳴らされていた三島会社と呼ばれるJR北海道・九州・四国・の財務的弱点についても詳しく分析。284億円にもなるJR北海道の営業損失(2010年度)が、表向きには黒字化される経営安定基金などのカラクリを解き明かし、具体的な解決策も提示している。元銀行マンの著者ならではの面目躍如といえるだろう。

書名:JR崩壊
著者:梅原 淳
発行:角川oneテーマ21
定価:840円

夕刊フジ

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