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「私のなかの彼女」  角田光代著

  『八日目の蝉』『かなたの子』『紙の月』など作品が次々と映像化される人気作家の最新小説は、女性作家が主人公だ。
 1985年、バブル期の入り口で本田和歌は同じ大学に通う仙太郎と恋をした。彼は在学中にイラストレーターとして活躍し始め、常に和歌の1歩前を行く存在となる。普通のOLとなった和歌は、実家の蔵で祖母の書いた小説を見つけたことで自身も小説を書き始め、賞を獲り作家デビューする。
 しかし2人の関係は変わっていった。全力を注げる仕事を見つけ、ようやく彼に近づけたと思ったのに。彼のことを好きにならなければ違う人生だったのだろうか。15年に及ぶ付き合いは一体何だったのだろう。
 仕事をする女性が直面する恋愛、結婚、出産、親との関係など切実な問題が丁寧に描かれる。男女問わず、自分の道を自分で選び生きることの意味を思い知らされる小説だ。

書名:私のなかの彼女
著者:角田光代
発行:新潮社
定価:1575円

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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