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「村上春樹で世界を読む」  重里徹也・三輪太郎著

  毎年ノーベル文学賞の有力候補として挙げられ、世界中で翻訳が出されている村上春樹氏も、初期のころはどちらかといえばマニアックな読者に愛される作家だった気がする。「オレだけがハルキの良さを知っているんだぜ」って、ひそかに自慢したいような・・・。
 本書は、極めつきのマニアであり、専門家である大手紙論説委員と出版社出身の大学准教授による対談形式の村上作品解説書だ。
 全作品を深く読み込んでいる2人だけに、ときに議論はヒートアップ。見解の相違をめぐって激しく火花を散らす場面も。もとより著者のひとりが書いているように「文芸に正解」などはない。どう読み、どう感じようと勝手なのだが、対談を読んだ後には、その「熱さ」ゆえか、昔の村上作品を読み返したくなった。「ノルウェイの森」すら読んだことのない初心者ガイダンスとしても最適だ。

書名:村上春樹で世界を読む
著者:重里徹也・三輪太郎
発行:祥伝社
定価:1575円

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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