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「あの頃の空」佐江衆一著

 「定年」前後の熟年男性が人生の第2ステージに備えて何かに挑戦する話を集めた短編集。閑話休題的に昭和のノスタルジー溢れる回想譚があいだに入る(全8編)。
 定年を間近に控え、嘱託として会社に残るか小説家の夢に向かって生きるか、迷う男。50を過ぎて家族に言えない秘密のサークル活動にはまる男。退職後、女子大生に混じりカナダへの語学留学に挑む男・・・。
 リタイアして初めて人生の驚きに遭遇するオヤジたちの奮闘がユーモアを交えながら描かれ、読めば年齢に関係なく生きる元気が湧いてくる。
 最終話では、高齢者を監視する社会を不快に思う年老いた女性がある行動に走る。人生の最期ぐらい自由でいたいと望む主人公が、終末の迎え方を問いかける異色作だ。

書名:あの頃の空
著者:佐江衆一
発行:講談社
定価:1680円

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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