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「国家の徳」曽野綾子著

出版社
国家
曽野綾子
産経新聞
夕刊フジの書評から
2012/11/30
 　アフリカの飛行機ではかつて、チケットの二重売りが珍しくなかった。だから、いったん席に着くと、決して立ってはならない。その間に知らぬ人間がその席に座り込んでしまうからである。
　今、日本が中国、韓国、ロシアから、いいようにやられている「領土問題」もこれに似ているという。いったん席を立てば、たちまち領土は取られてしまう。そうしないためには「そこにいる」ことが大事であり、国家としての実力が問われているのだ。
　五輪のために日本国籍を捨て、カンボジア人になったお笑いタレントのくだりも面白い。「こんないい国（日本）」を捨てた男を憐れんだ上で、決して日本国籍に戻してはいけない、と誠に歯切れがよい。

書名：国家の徳
著者：曽野綾子
出版社：産経新聞出版
定価：1575円

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代～60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」（http://www.zakzak.co.jp/）で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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夕刊フジの書評からの一覧

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