新聞やテレビを見ていると、新しい言葉をしょっちゅう目にする。あまりにも多すぎて付いていけない。そんな人のために役立ちそうなのが本書『ビジネスパーソンが知っておきたい新語・難語―― 日本の今後を先読みできる重要ワード』(河出書房新社)だ。監修者の高橋俊一さんは元朝日新聞記者。現在は日本大学大学院新聞学研究科などでも教える。
「負動産が全国的に急増している」「指定廃棄物の最終処分場が決まらない」「睡眠負債が心身に悪影響を与える」――この例文で出てくる「負動産」や「指定廃棄物」「睡眠負債」などが本書で紹介している「新語」だ。「教育困難校」や「高所平気症」なども出て来るが、このあたりは多くの人になじみがあるだろう。
全体は「あすの暮らし」「あすの健康」「あすの仕事」「あすの景気」「あすの世の中」「あすの世界」「あすの教養」に分かれ、それぞれの分野の新語や難語161項目が登場する。LGBTやSDGsなどアルファベットの略語は省かれている。
今回は漢字の新語にこだわったという。日本人だからまず漢字を、というわけだ。単なる語義解説ではなく、その言葉が使われるようになった背景や社会の変化についても丁寧に記されている。「教育困難校」の項目では、かつては「底辺校」といわれていたこと、そこに通う生徒は同学年の15~20%に及ぶこと、貧困層の予備軍にもなりかねないことなどが説明されている。
本書を読めば、「自分がどのくらいニュースに敏感か、常識の広さや深さが分かります」と書いてあるが、確かにその通りだ。
高橋さんは『削るほど良くなる文章の練習帳: すっきり! シャープ!いい文章が書ける』『すぐに書ける!「頭のいい文章」ちょっとしたコツ――かしこい人は「やさしく短く」書く! 』など文章テクニックの本を多数出版している。
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