読むべき本、見逃していない?

人生の粋はスナックで学ぶべし!

  • 書名 粋な男たち
  • 監修・編集・著者名玉袋筋太郎 著
  • 出版社名株式会社KADOKAWA
  • 出版年月日2018年7月10日
  • 定価本体880円+税
  • 判型・ページ数新書判・194ページ
  • ISBN9784040822112

 お笑いコンビ「浅草キッド」の二人は意外と著書が多く、コンビ名で出した『お笑い男の星座2』は、大宅壮一ノンフィクション賞にもノミネートされた。ちょっとインテリ風の水道橋博士には『藝人春秋』などのすぐれたルポルタージュがあり、最近文名を高めている。一方、相方の玉袋筋太郎も、一般社団法人「全日本スナック連盟」の会長として『スナックの歩き方』(イースト新書Q)などを出している。その玉袋の新著が『粋な男たち』(株式会社KADOKAWA)。「時代遅れの芸人」と自認する著者の自伝風の読み物になっている。

 NHKに出演する時は「玉ちゃん」と紹介される、いわく付きの芸名の由来も明かされている。たけし軍団入りする時に、殿から提示されたのは三つ。「シロマティ」「蟻の門渡哲也」そして現在のもの。前者二つは問題になりそうだと思い、軽い気持ちで選んだ芸名だったが、そのために想像以上に遠回りするハメになったと述懐している。

 新宿で雀荘を経営していた父親が、ある日突然、雀荘をやめて開業したのが、今ならゲイバーと呼ばれる「ホモスナック」だった。両親ともにその気はなかったが夫婦でやっているのが珍しくて繁盛したという。客は普通のサラリーマンばかりだが、戦争当時に上官に仕込まれて目覚めた人が多かったそうだ、というから時代が感じられる。当時中学生だった著者は恥ずかしくてたまらず、父親との関係も最悪だったという。そんな父親が、芸名を喜んでくれ、やがて当時の体験をネタに出来るようになった。

 芸名ゆえに「破滅型芸人」と思われるかもしれないが、本人は否定する。家族のために「生活のインフラ整備だけはきちんとしよう」としてきたという。

 著者が日々、「粋」を学んでいる学び舎が「スナック」だという。スナック好きがこうじて2013年には「全日本スナック連盟」を立ち上げた。活動として、広報・啓蒙活動、情報発信基地づくり、イベント活動などを行ってきたが、とうとう17年2月、東京・赤坂に自分の店「スナック玉ちゃん」をオープンした。

 「昭和の遺物」の感があるスナックだが、全国に7万軒以上あるという。中堅のコンビニと同じくらいの数だが、一軒ごとに個性が異なる「パワースポット」であり、「心のセーフティネット」だと著者は強調する。

 知らない客同士が出合い、飲んで、歌うスナックは一種の社交場。『日本の夜の公共圏 スナック研究序説』(白水社)を本欄で去年(17年)紹介した。さまざまな学者の共同研究をまとめた本だ。スナックはまだまだ廃れない。  

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