いまやこんな本まで出ていることを知って驚いた。介護現場が人手不足ということで、外国人の介護職を受け入れるようになっているということは聞いていたが、どんどん拡大しているらしい。本書『5か国語でわかる介護用語集』(ミネルヴァ書房)は、まさにそんな時代を象徴している本だ。
5か国語というのは、副題にあるように「英語・中国語・インドネシア語・ベトナム語・日本語」。介護現場での基本用語約1500語を、あいうえお順に5か国語で掲載している。
あぐら、院内感染、刻み食、後期高齢者、失禁、認知症、徘徊、貧血、訪問介護、耳垢、 虫歯、湯たんぽ、要介護者、リハビリパンツなど多種多彩だ。総ルビ付きの日本語なのでわかりやすい。現場で働く外国人と介護職が、コミュニケーションをとる手助けになりそうだ。
介護業界では2008年度から外国人の受け入れが始まり、これまでにインドネシア、フィリピン、ベトナムから延べ3500人が来日、働いているという。17年11月には、外国人技能実習制度に介護職種を加える法律が施行されたこともあり、これからさらに増えそうだ。いずれにしろ、介護用語がわからなくては現場では話にならない。そこでこうした用語集の出番となる。難しい専門用語もページをめくれば、指差しで伝えることができる。
本書の編纂には、長く言語学・介護福祉・日本語教育に携わってきた関係者が取り組んだ。介護を学ぶ人教える人、介護する人される人双方にとって、少しでも言葉の壁を低くすることを心掛けたという。
ネットでググると、類書がいくつか出ている。団塊世代が後期高齢者の仲間入りする25年には、全国で約38万人の介護職員が不足すると推計されている。この分野での外国人労働者はさらに増えるに違いない。コンビニの従業員と同じように、介護現場でも外国人なしではやっていけない時代が近づいている。
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