東京都立美術館で「若冲展」が開催中です。伊藤若冲の人気はとどまるところを知らず、雑誌やテレビで続々ととり上げられています。そんな過剰ともいえる人気沸騰ぶりにお応えして、Pen2015年4月1日号の特集を再編集、書籍化いたしました。 昨年偶然発見された幻の名作『孔雀鳳凰図』を新たに巻頭に迎え、続いてPenの特集でも紹介した日本美術の至宝、『動植綵絵』と『釈迦三尊像』を紹介。精緻な動植物の描写と大胆な筆づかい、華麗な配色は注目です。最晩年の傑作、『仙人掌群鶏図襖絵』『蓮池図』、水墨画の大作『象と鯨図屏風』、野菜の行進で幕を開ける、楽しき『菜虫譜』など、若冲の人気作品を堪能できます。 またこうした作品の裏側に秘められた、若冲の独創的な技法についても紹介します。拓版画や多色刷り、まるでデジタル絵画のような枡目描きや、墨の“にじみ”という偶然を巧みに用いた筋目描きなど、若冲の試みには驚嘆させられます。 作品ばかりではなく、謎に包まれた絵師、若冲の人物像にも迫ります。若冲を支えたキーパーソン2人とは? 若冲が活躍した時代背景に何があるのか?など興味深い周縁部も覗けます。若冲ワールドにどっぷりと浸かれる1冊。あなたの書棚にもどうぞ。
書名:ペンブックス 若冲 その尽きせぬ魅力。監修者:狩野博幸編者:ペン編集部発売日:2016/4/14定価:本体1800円(税別)