いま沖縄で静かに話題になっている一匹の猫がいます。猫の名前は向田さん。
なぜこの猫が話題になっているのか、その理由はある実話にあるそうです。
この猫の飼い主は作家の仲村清司さん。沖縄で有名な作家さんです。彼は40代後半になってうつ病になってしまいました。作家という職業は不安定な職種で、書かなければ収入は入ってこない。でも、病気のせいで、何もする気がしない。
そんな時に、彼を救ってくれたのが、島猫の向田さんでした。向田さんという名前は、仲村さんが敬愛する作家の向田邦子さんからとったもの。
うつ病に苦しむ仲村さんは、猫の向田さんを自分の愛妻として家に迎えます。そして、中年男性と島猫の生活がはじまったのです。
一緒に散歩して、一緒に寝て、一緒にゆっくり過ごす。向田さんとの暮らしの中で、仲村さんは徐々に自分を取り戻して行きました。
この物語をまとめたコミックエッセイ『猫力』が、いま感動を呼び、沖縄を中心に話題になっています。
「読み終わって泣いてしまいました。とってもいい話です」「猫のことを今まで以上に好きになりました。猫がこんなに人間に寄り添ってくれるなんて感動です」など、読んだ人の声が続々出版社に届いているそう。
じんわり泣きたい時にオススメの1冊です。
『猫力(ねこりょく) うつな僕を救ってくれた猫』仲村清司 (著), 松野和宏 (イラスト)発売元:アスコム1,100円+税