最近はマスメディア等で、巡礼・遍路という言葉を耳にする機会が増えてきました。仕事や生活といった日常から離脱する、「聖なる旅」の心持ちに多くの人が魅力を感じているからでしょう。また、肉親の死や自分自身の病気、失恋といった落ち込みから立ち直るための契機としても、巡礼は多くの人を引きつけてきました。
本書『巡礼・遍路がわかる事典』は、古来人間を引きつけてきた巡礼について、その思想・意味・歴史・方法など、多方面からの解説を試みた一冊です。
著者は、巡礼を主な研究テーマにしている民俗学者。巡礼について関心を持っている人の疑問や興味に満遍なく応える内容になっています。学者ならではの、非常に整って行き届いた内容でありながら、素人でもわかりやすい平易な文章で、読む人をとらえます。
ガイドや専門書以外では類書はなく、現代人の興味に応える恰好の本です。 各項目に詳細な図解や写真、地図などを添え、読者の興味に応えると同時に、実践者に向けた親切なガイドブックとしても便利に使える、画期的な「巡礼入門書」となっています。
書名:巡礼・遍路がわかる事典
著者:中山和久
定価:1575円(税込)