日本および中国の近現代史を、厖大な資料を駆使して驚くべき精度で読み解く鳥居民氏。
その処女作である『毛沢東 五つの戦争』が草思社文庫で復刊されました。
1970年刊行。じつに40年以上も前の時点で、共産党中国の異様な実相をかくも正確に分析していたことに改めて驚きます。他国への様々な武力行使の動機が、単なる版図拡張ではなくじつは自国内の抑制・制圧にあるというのは、現在なおも駆動しつづけている中国の行動原理の根幹だと言えるでしょう。
尖閣問題や南京問題など、事あるごとに威圧的な行動に出てくる中国ですが、その背後に隠された真の意図を見極めるために、今こそ広く読んでいただきたい名著です。(草思社文庫/定価998円)
書名:毛沢東五つの戦争
著者:鳥居民
草思社文庫/定価998円