読むべき本、見逃していない?

生き方を見直すときに大切な「使命」という視点

  • 書名 ビジネスと人生に飛躍をもたらす 使命の本質
  • 監修・編集・著者名松島 修
  • 出版社名幻冬舎

このコロナ禍がきっかけで、自分の生き方を見直したい人やビジネススタイルの大幅見直しに迫られている人は多いだろう。そもそもビジネススタイルは生き方そのものでもある。

自分の生き方はこれで良いのか。自分に嘘をついていないか。無理をしていないか。そして「自然体で生き、人生の目的に突き進む」という理想的な生き方、働き方への道を模索しているはずだ。

そうした悩みに対して、経営コンサルタントの松島修さんは「使命」の大切さを説く。『ビジネスと人生に飛躍をもたらす 使命の本質』(幻冬舎刊)は、ビジネス界の成功者たちの事例や具体策を交えながら、新しく、そして普遍的な生き方と戦略を提示する。

その核となる「使命」とは一体何なのか。お話を伺った。

(新刊JP編集部)

■「したいことをしよう」で生きると逆に息苦しくなる?

――『使命の本質』についてお話をうかがっていきます。まずは本書のテーマである「使命」とは何かお聞かせください。

松島:まず、一般的に使命は精神論になりがちですが、使命とは具体的な知恵や世の中に革新を起こす考え方と行動に至るもので、とてもイノベーティブであり、サスティナブルです。

基本的な考えとして使命は、その人が生まれる前から与えられている「人生の目的」であり、やりがい、生きがいという概念にもつながります。
生きがいを感じている瞬間は、自分の使命に進んでいることが多いといえます。自分が今やっている仕事などにやりがいを感じ、楽しく、他人から感謝され、世の中を良くしていたとすると、自分の使命に重なっていると言えるのです。
また、そうなるために正しいマインドセットを身につけ、自分自身の品位・品格を高めることも使命の一部分です。

――2点うかがいたいことがあります。まずは、松島さんがおっしゃる「使命」はあらかじめ与えられているものです。これは今の「自分のしたいことをしよう」というトレンドとは逆の印象を受けますが、「したいことをする」ではいけないのでしょうか?

松島:私たちは使命に進むために性格、才能、役割が与えられていて、自分のやっていることが、それらと一致することが自然体です。そういう意味では「したいことをする」が使命であり、社会に対してもどんどん良い影響を与えることができるでしょう。

ただし、同じ「したいことをする」でも、「お金を稼ぎたい」「権力を握りたい」「ラクしたい」というような悪い欲や感情で動いてしまうと、使命から遠ざかります。例えば、本の作家が執筆をするときも、「印税で食べたい」という人と、「書くことで人々を楽しませたい」という人では、後者の方が長く続けていけるし、一生懸命取り組むし、周囲から愛されることになります。
使命に進むと、何も考えずにどんどん行動できるし、自然体でいるようになります。

――「したいことをしよう」は実は自然体ではない自分を作る可能性があるわけですね。

松島:「したいことをする」の「したいこと」が自分の使命と異なる場合は、自然体ではなくなります。「お金を稼ぐことが大切だ」「働かなくてもいい生活が最高」といった一般的な価値観に捉われてしまい、それが自分の「したいこと」と錯覚していると、自然体ではなくなってしまうのです。早くリタイアして南の島でのんびりすることをゴールとして、それを実現したら、うつになって仕事がしたくなるようなことは沢山あります。

――もう1点、「正しいマインドセット」とはどのようなものでしょうか?

松島:正しいマイドセットの基本は、「自分は愛されている存在である」「自分は存在しているだけで価値がある」「人生の目的は世の中を永続的に良い方向へ変革すること」という3つを分かっている状態です。
この3つを真に理解すると正しいマインドの基本ができているということになり、責任感も強くなるし、感謝もできるようになります。

多くの書籍などでも「責任感を持ちましょう」、「感謝をしましょう」と伝えますが、この3つの基本原則の土台がないと、責任感が「義務的」になってしまったり、感謝が「千回ありがとうと言う」などと形式的になってしまいます。

――なるほど。責任感や感謝は必要ですが、使命に進むための原理原則を身に付けないと、良い方向に向かわない。

松島:その通りです。使命に進むための原理原則というより、人間としての原理原則です。たった3つの原則だけなのですが、世の中的には「スキル」を身につけましょうという視点ばかりですよね。スキルではなく原則を身に付けないと意味がありません。自分自身正しいものに変えないといけないわけです。
これは品性、品格を身に付けるという意味でもあります。

――こうした原則は価値観が凝り固まってしまったりすると身につけづらくなるように思います。

松島:すぐに、スキルの方に目が行ってしまいますよね。だからこそ、本書を繰り返して読むなどして、正しい価値観に常に触れておく必要があります。世の中の価値観は間違ったものばかりですから。
そして、正しいマインドセット、品性、品格は使命に進むことで身についていくものなのです。そして使命は具体的な実践に落とし込むことが大切です。

■使命に進み、社会に変革を起こした人たち

――これまでの成功者で使命に進んだ人といえば誰がいますか?

松島:本書でも名前を出していますが、松下幸之助さんは使命に進んだ方ですね。実際に使命という言葉を口にしていますし、自社ひいては日本という国そのものを良くした実績を残していますから、彼は自分の使命に進んだといえるのではないでしょうか。

――使命に進んでいる人は自分のためではなく、社会のためという意識が強いのでしょうか。

松島:そうですね。社会のためにと思わなくても、自然体で社会のためになっている感覚です。もっと本質的な「人を愛し、健全に生きること。日々喜んで生活すること」ができていることが使命です。

使命は人助けと思う人も多いですが、実は、使命は人助けと思っている人ほど、使命から遠ざかるというトラップがあります。この部分は誤解されやすい部分なので本書をお読みいただき、そのトラップを理解すると良いです。

また、使命に進んだ人の例としては、経営学者のピーター・F・ドラッカーもそうです。彼はビジネスにおいて使命に進むことの大切さを伝えていました。使命の概念を経営に適用することが、彼の使命だったのだと思います。

もちろん、他にも使命に進んで成功をしている人はいます。世界で100年以上続いている企業の8割が日本企業だと言われていますが、それは使命に基づく経営、「使命経営」をしているからだと思います。

――企業が長く続くということは、社会に対して価値を生み出し続けているということですからね。

松島:そういうことです。利益を出すのは当たり前として、社会にとってどんな良いことができるかという視点でスタートしています。そういう企業はやはり人から愛されるし、ビジネスも健全でいますよね。

――個人の話に戻りますが、使命に進むことによって、どんな人生がもたらされるのでしょうか?

松島:自然体で生きるということができます。自然体で生きることができれば、楽しいじゃないですか。それに誰かから役に立っているので満足度も高くなり、集中力は増すし、精神的にも老けない。いつでも精力的でいられる。そういう人生がもたらされます。また、誰もやったことがないイノベーティブな活動も増えることになります。 もちろん、富も拡大します。

そして社会全体が今、「お金を稼いで自己中心的なやりたいことをやる」といった生き方よりも、「使命に進む生き方」の方が良いのではないかという空気に変わりつつあるように感じています。
今、大人気のテレビドラマ「半沢直樹」でも「使命」というセリフが沢山出てきます。
すでに、使命は当たり前のものになっているといえるのでしょう。その本質は明らかにされていませんでしたが、今回、本書で明らかにしました。

この本への感想にも、このコロナ禍で、本書に書かれていたことを通して「自分はどう生きていくか」の答えが得られたという声をいくつもいただいています。今までの生き方から、方向転換して、使命に進む生き方に変えていくきっかけになる本ですね。

――確かに、大きな社会変化が起きたとき「自分の仕事は社会にとって意味があるのか?」と考えやすくなります。

松島:そうだと思います。ただ、そんなときでも、自分の使命に進んでいて自分には存在価値があると思っていれば、そういう風には思わないですよね。コロナ騒動でも、不安も恐怖も感じないで自然体でいられるし、自分の仕事自体が世のためにもなるわけです。

(後編に続く)

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