1万円稼ぐならできるけれど、1億円稼ぐのは難しい。
実際に1億円を稼げるかどうかは別として、なぜ「難しい」と思うのかというと、そこにはある種の信じ込みがあるからだ。
できるかどうかではなく、1億円稼ぐことが自分にとって必要なのだ、と脳に教えること。すなわち、「潜在意識」に明確な目的を提示することで、無意識に行動も変わってくる。そんなことを教えてくれるのが『無意識を鍛える』(梯谷幸司著、フォレスト出版刊)である。
「無意識」は、富、チャンス、環境、考え方、健康など、あらゆることに関連している。
本書では、メンタルトレーナー・心理技術アドバイザーの梯谷幸司氏が、無意識を鍛えるための方法を紹介する。
無意識を鍛えるとは、どうすればいいのか。そもそも無意識を鍛えることなど可能なのか?
本書によると、その第一歩は、1日の行動、生活戦略を見直すことだ。
たとえば、朝起きてから寝るまでのタイムスケジュールをできるだけ細かく洗い出す。それを書き出して、その横に「何のためにやっているのか」を書き出していくというプロセスがある。
たとえば「歯を磨く」なら、その目的を書く。おもしろいのは、ここで「息が臭いとみんなに迷惑をかけるから」と書いたならば、うまくいかないのだという。これは「問題回避型」の目的設定だからだ。無意識を鍛えるための目的設定は、もっとポジティブに「〇〇すればこれが達成される」という形の方がいい。
「歯を磨くことによって脳に刺激が与えられる」
「脳に刺激を与えられるから新しいアイデアが湧きやすくなる」
「新しいアイデアが湧くことでビジネスが拡大して、やりたいことが全うできる、そのために歯を磨く」
というように、新しい目的を見つけ直すことで「うまくいきそうだ」という感覚を得ていく。なぜなら感覚が現実をつくるからだ。コーヒ代を払う場合でも、目的を持ってお金を払うこと。「今から〇〇のために払う」とつぶやくことを習慣にする。すると、脳は「目的を達成するために払うんですね。また前に進みましたね」と認識するという。
脳は自分自身の動きを見ているので、年収300万円の人は年収300万円の動き、年収1億円の人は年収1億円の動きをしていると把握しているという。なので、1億円の人の動きをしていれば、脳はそれを信じ込み、書き換え始める。こうして脳による「人格の信じ込み」を利用することで、行動が変わり、それにともなって現実も変わっていく。収入が変わり、付き合う人が変わり、集まってくる情報が変わり、自分に舞い込むチャンスやオファーが変わるのだ。
日常の行為に目的を持つこと。そして、現実に合わせるのではなく、自分の信じ込みをつくり直して、無意識を鍛える。そうすることで、理想の現実を引き寄せることができるということだろう。
(T・N/新刊JP編集部)
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