稼げる人と稼げない人。その差はどこにあるのか。
『稼げる人稼げない人の習慣』(松本利明著、日本経済新聞出版社刊)の著者、松本利明氏は、人事・戦略コンサルタントとして、大手外資系コンサルティング会社で20年以上、人事分野のコンサルティングに従事。外資系や日系の大手企業からベンチャー企業まで600社以上、累計で5万人以上のリストラと6500人以上の幹部や候補者の選抜をしてきた。
いわば「人の目利きのプロ」である松本氏は「稼げる人・稼げない人」の違いにどんな考えを持っているのだろうか?
松本氏によると、稼げる人は相手の期待を「少しだけ」上回り、稼げない人は「完璧」を目指す。
また、稼げる人は、最初に納期・品質・用途など、相手の期待値を確認するという。目的とゴールは、自分ではなく依頼者が持っているからだ。必ずしも完璧なものを求めているとは限らない。単純に「速さ」かもしれないし、「見栄えの美しさ」かもしれない。自分で判断することは危険だ。
全ての仕事の作業を同じレベル・密度で行うと、仕事の速度は遅くなって、量もさばけない。力の入れどころと抜きどころを見極める必要がある。そのためにも依頼者の期待がどんなことなのか確認しておけば、力の入れどころと抜きどころがズレることはない。
そして、大事なことは、相手の期待値を確認した上で、ちょっとだけ上回ること。たとえば、納期より少し早く対応すること。多少不足があったときにも予定納期内でリカバリーできるので、依頼者にも安心してもらえる。
多分、これは「稼げる人は無駄な労力を排して効率よく稼ぐ」というだけの話ではないだろう。相手からの信頼を得る方法でもあり、長期的な付き合いに発展させる方法でもありうるのだ。
コミュニケーションの取り方も、稼げる人と稼げない人では違う。 稼げる人は「相手」の主観で考え、稼げない人は「自分」の主観で考える。人は自分の主観に沿った話でないと、聞き入れてくれない。けれど、ついつい自分の主観が相手の主観と同じだと思い込んで話してしまうもの。
そうなってしまうと、話はかみ合わなくなってしまう。相手の主観を知るためには、それを相手に聞けばいいのだ。このとき、「論点」「結論」「根拠」の3つのことを共有することで、自分も相手も整理しながら、話を進めることができる。
多くの人材を見てきた松本氏曰く、どんな会社でも必要とされる人材は「稼ぎ続けることができる人材」だという。稼げる人の習慣や考え方を実践し、身につけてみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)
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