新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、学校の休校が続くなか、親としてはどうしても「子どもの勉強の遅れ」が気になってしまう。そうなると、家庭学習ひとつとっても「やりなさい」という態度になりがちなのだが、ちょっと待ってほしい。
『シングルマザーで息子2人を東大理Iに 頭がよくなる「ルーティン」子育て』 (たかせみほ著、徳間書店刊)は、たったひとりで2人息子を育て、しかも東大に送り込んだ著者が、自身が行った教育法を明かす一冊。基本的には体験談のため、万人に応用できるものかどうかはわからないが、家庭学習の重要度が増している今だからこそ、参考にしたい意見が多くみられる。
学校が休校で、地域によっては学習塾にも休業要請が出ている今、子どもが勉強する場は家庭しかない。親としては「やらせないと」と考えてしまいがちだが、それが高じて子どもに強制的に机に向かわせてしまうと、その時はおとなしく勉強をはじめるかもしれないが、勉強する理由が「親が怖いから」になってしまう。
「親が怖いから」というモチベーションは、親が近くにいる時にしか生まれない。これでは子どもが将来一人立ちできないことになってしまう。それは親としても本意ではないだろう。
では、どうすれば子どもが自主的に学ぶようになるのだろうか。
たかせさんはこの点について「子どもやる気は親の好奇心に比例する」としている。親自身が何にでも興味をもって調べたり、学んだりする姿を見せていれば、子どもも自然に好奇心を持ち、知らないことを知りたいと思うようになるのだ。
「見たい」「知りたい」「やってみたい」 頭ごなしに「勉強しなさい」というよりも、子どもがこんな気持ちを持つようにしむける方が、子どもにとってはプラスになるはず。ゴールデンウィークは子どもと机を並べて、新たなことを学んでみるのもいいかもしれない。
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ここでは、たかせさんが実践してきた子育て法のうち、もっとも原則的なポイントを紹介したが、本書では子どもの年代に合わせた親の接し方や、どんなことを教育すればいいかが、細かく記されている。シングルマザーならではの悩みあり、そしてシングルマザーゆえの喜びあり、子育てをしている親であれば思わずうなずいてしまうようなエピソードも多い。
休校で子どもが毎日いることで、一緒に過ごせる時間が増える一方、言うことを聞かない子にイライラしてしまう場面も増える。子どもを大学卒業させるまでは「子どもファーストだった」というたかせさんの言葉は、今だからこそ心に留めておきたいところだ。
(山田洋介/新刊JP編集部)
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