文章とは、内容はさることながら「見た目」も重要であることを、私たちは普段見落としがちだ。文字のフォントや行間などのレイアウトの工夫をするかしないかだけでも、文章全体をぱっと見たときの印象が変わり、読みやすさにも差が出てくる。
その意味で「文章は見た目で決まる」のだ。
「文章は見た目で決まる」というこの観点から、国立国語研究所教授の石黒圭氏らが、「記号」「文字」「レイアウト」「文章構成」「感覚表現」の5つの観点で見やすい文章の基本を解説するのが、『一目でわかる文章術 文章は「見た目」で決まる』(石黒圭ほか、ぱる出版刊)だ。
では、どのようにレイアウトを工夫すれば見やすい文章になるのか。
・字間と行間のバランス
文章を見やすくするポイントは、文字と文字の間や行と行の間の余白にある。ちなみに、字間とは、文字と文字の間の幅のこと。行間とは、行と行の間の高さのこと。
字間と行間が同じ広さになっている場合は、読みづらくなる。これを解決するには、字間よりも行間を広く設定すること。
また、Power Pointの行間の初期設定は狭すぎるので、1.3~1.5行に変更すると、見やすくなるという。
・視線の動きを意識したレイアウト
横書きで書かれた日本語の文章を読む場合は、左から右、上から下の順に「Z」の字を描くように文字を追っていく。読み手の視線の動きを考慮すると、図表の位置や1行の長さが重要になる。
まず、図を配置する場合は、文字を読む視線の動きに沿って配置すること。また、1文の長さがまちまちで、改行も多いことで、行末の余白が多かったり少なかったりすると、読み手は目で追うだけで疲れてしまう。過剰な改行を減らし、1文の長さをそろえることで、読みやすい文章になる。
伝わりにくい、読みづらい文章では、どんなにいい案を思いついて企画書を出しても、相手にちゃんと読んでもらえない。「読み手が読みたくなる文章」を書くためにも、レイアウトなど、「見やすい文章」を書く5つの観点を実践してみてはどうだろう。
(T.N/新刊JP編集部)
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