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「この人合わないな」には理由がある。「大切にすべき人」の見極め方とは

  • 書名 好きな人と「だけ」生きていく
  • 監修・編集・著者名永松茂久
  • 出版社名WAVE出版

組織だから苦手な人とも仕事をしないといけない。
家族だからどんなに嫌いでも遠ざけることはできない。

そんな風に思い込んではいないだろうか。
しかし、イヤな人との関係が成功への道を閉ざし、あなたを幸福にすることを妨げてしまうかもしれない。

人材育成の専門家である永松茂久さんの『好きな人と「だけ」生きていく』(WAVE出版刊)は、そんなダメな人間関係を変えて、好きな人と生きていく方法を指南する一冊。
仕事、私生活ともに決断できない悩める人たちにとって、大いに参考になるだろう。

では、好きな人と「だけ」生きていくにはどうすればいいのか? 少しのぞいてみたい。

■人間関係や価値観は基本「変わる」ものと考えよう

本書の根幹をなす考え方が、「人は置かれた環境で影響し合い、考え方が左右される」という「波長の法則」だ。

学生時代の友人と疎遠になったり、仲が良かった同期と話が合わなくなったりということはないだろうか。一方で新しい環境でウマが合う人と出会ったり、学びになる人を見つけたり。合う人と合わない人は変わるもの。これが「波長の法則」だ。

なので、合わない人と一緒にいることをガマンすべき、今の環境にいないといけない、といった「べき」を外して考えることが大事だ。心が安定しなければ、人と気持ちよい関係を築くことはできない。今、一緒にいたい人と一緒にいることを優先すべきなのだ。

■人脈の棚卸しで見えてくる「離れた人」「新しく出会った人」

それでも「苦手だけどこの人から離れていいのか分からない」ということがあるだろう。
本書では、人間関係ワークの一つとして、半年に一度人間関係を見直してみることを提唱している。紙とペンを用意し、真ん中に自分の名前を書き、円で囲む。その中に「3年後も一緒にいたいかどうか」の観点で好きな人、大切にしたいと思う人を書く。第一陣の円が埋まったら、その外側にもう一つ円を描いて、「その次に大切な人」を書いていく。これを繰り返して自分の本心を定期的に見直すことで、自分にとって本当に好きな人、大切な人がわかるのだ。ポイントは家族やお世話になっているからといった概念を抜きで棚卸しすること。
棚卸しできたら、好きな人と過ごす時間を最優先して増やす。「好きな人」とはあなたが自然体でいられる人ということだ。そういう人との時間を選ぶことで、人間関係は変化していく。永松さんは「人間関係が変化していればいるほど、あなたが進化し、成長していることの証明」と語っている。

■苦手だけど離れられない人が家族だったら...

では、もしイヤな相手が家族だったらどうすればいいのか。
例えば、あんなに仲が良かったのに冷え込んでしまった夫婦関係。しかし、「現実的には離れられないから」とガマンしている人は少なくない。

永松さんはそんな悩める女性に対し、「離婚も選択肢の一つ」と思い切ったことを告げる。「一度結婚したら別れてはいけない」ということは、思い込みだ、とも。もちろん、離婚をすすめているわけではなく、離婚しなくてすむならしないに越したことない。環境や状況もあるだろう。ただし、お互いがこのまま前進できないのであれば、それも一つの選択肢ではないかとアドバイスするのだ。

これは夫婦だけではなく、親との関係でも言えること。もちろん、そのときに「相手から離れる」という選択をするのは、あなた自身。逆に言えば、数ある選択肢の中で誰と生きていくかを選ぶ権利をあなたは持っているということなのだ。

例えば会社を辞める際の退職理由として必ず上位に位置するのが「人間関係」である。人間関係が上手くいかなければ、身も心も病んでいく。

今は生き方を選択しやすくなっている。そのときに好きな人と「だけ」一緒にいるという選択をすることもできるはずだ。本書ではイヤな人にこれ以上時間を使わない方法や、巻き起こるだろう自分に対する批判への対処法なども取り上げられている。

「あなたはもっと自由を選べる」と本書。今こそ、人間関係を棚卸ししてみてはいかがだろうか。

(新刊JP編集部)

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