やっかいな夏休みの宿題の代表格として挙げられる読書感想文。夏休み終了までのカウントダウンがぼちぼち始まっていますが、お子さん、お孫さんが、まだ終わっていないという方はこの本を手渡してみてはいかがでしょうか。
『のび太という生きかた』(横山泰行著、アスコム刊)は、10年前に、逗子開成中学・高等学校の中学二年生がこの本を題材に書いた読書感想文が「スゴイ」と話題に。それがきっかけで、この本で多くのお子さんが読書感想文を書くようになり、30万部を越えるベストセラーになりました。
そして、多くの読書感想文の中でも話題となっているのが、出版社であるアスコムの公式サイトに掲載されている惜陰小学校5年生(当時)の山本昴さんが書いたものです。
『のび太という生きかた』の中で著者は、のび太というと、いつもジャイアンやスネ夫にからかわれているし、テストの点数も散々。人生の負け犬のようなイメージがついていますが、勝ち組であると言っています。
「ダメ人間の代表のようなイメージのあるのび太の生きかたを、反面教師として描いた本かと思った」
と、感想文の冒頭で述べている山本さんは、この本を読んでのび太が勝ち組であることに納得。そして、のび太は人として大切なものを持っているのに、マイナスイメージが強いのは、
「自然体でかっこつけないのび太だからこそ、ダメな自分もさらけ出し、無理せず、自分らしく生きているからなのかもしれない」
と独自の解釈を述べています。
さらに、
「しずちゃんとの幸せな結こん生活をイメージ出来るようになったから、のび太は辛い毎日にも関わらず、くじける事なく、日々を送る事が出来るのだ」
との著者の考えに共感。それを受けて、
「ぼくには、しょう来魚博士になるという夢がある。そのためには、今は学校の勉強や目の前の事を頑張る必要がある。それが大切だとわかっていても、やっぱりいやだなとかめんどくさいなと思うこともしょっ中だ。そんな時は、成功した自分を想像してみようと思う。今自分が何をやるべきかがわかるし、やる気もわいてくる気がする。それでも、辛い時や苦しい時は、何度もおとずれるだろう。そのたび、それを乗りこえて幸せになった自分を想像する。そのくり返しでいいのだ、とのび太が思わせてくれた」
と書き、
「きみはこれから何度もつまずく。でもそのたびに立ち直る強さももっているんだよ。」
という未来ののび太のこの言葉を、これから辛いことがあるたびに、思い出すだろうと結んでいます。
本の内容を自分ごとにしっかりと落とし込んだ、夢に対する熱い想いの溢れた文章。これが小学五年生の感想文というのに驚くとともに、小学生のピュアな思いが心に響くのではないでしょうか。出版社のアスコムには「自分よりよっぽどしっかりしている」「人生に大切なことを小学生に教わった」という大人たちからの意見が寄せられているとか。
◇
『のび太という生きかた』で多くの感想文が書かれている理由を、出版社の編集担当者は「普段から本を読まない子どもでも読みやすいからではないか」としています。普段本を読まない人でも、のび太のキャラクターはよく知っているので、理解しやすく、興味を抱けるようです。
夏休み終了まであと少し。読書感想文が苦手で後回しにしてしまっている人も、この本ならすらすらと感想が出てくるのではないでしょうか。
(新刊JP編集部)
・惜陰小学校5年生(当時)山本昴さんの読書感想文全文はコチラ↓↓
http://www.ascom-inc.jp/nobita/report.html
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