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経験や失敗を"カネ"にする最適な方法とは?

  • 書名 あなたの経験を仕事に変える技術 〜成功する独立起業家と失敗する独立起業家の違い~
  • 監修・編集・著者名鴨頭嘉人
  • 出版社名かも出版

社会全体で「働き方」の見直しが進んでいる昨今、自分自身のこれからの働き方を考え、独立や副業を検討したりしている人は少なくないだろう。

しかし、やりたいことが明確にある人は別として、新たなビジネスを立ち上げるのは大きな労力がかかる。自分の強みや経験を活かしたことをしなければ、失敗する可能性が増してしまう。

『あなたの経験を仕事に変える技術』(かも出版刊)は"炎の講演家"の呼び名を持つ鴨頭嘉人さんが、自分の強みや経験を活かせる仕事として「プロ講演家」「セミナー講師」で成功するための方法を伝授する一冊。

日本マクドナルドでの経験を経て、サービス業を変えたいという想いから講演家への道を歩みだしたという鴨頭さん。インタビュー前編ではその半生を、後編では「講師」という仕事で成功するための方法を聞いた。今回はその後編をお届けする。

インタビュー前編はこちらから

■なぜYouTubeに無料で講演をアップしてもセミナーに人が集まるのか?

――『あなたの経験を仕事に変える技術』は、自分の経験や強みを活かせるプロ講師への道について書かれています。鴨頭さん自身は、講師という仕事の魅力はどのような点にあると思いますか?

鴨頭:講師業は、自分が得てきた知識や体験を人に伝えることによって、聞いてくれた人に希望や勇気、夢を与え、喜んでもらう仕事であること。そして、自分自身がそれで食べていけるという「奇跡の仕事」であるということが最大の魅力だと思います。

――「講師」という仕事に向いている人の特徴について教えて下さい。

鴨頭:「体験」をしたことのある全ての人に向いていると思っていますが、その中でも特に「こんな人はぜひ講師をやってもらいたい」という人は、過去に上手く行かなかった体験、辛かった体験などを乗り越えた人です。

人前に立って話すというところで、完璧な人間にならないと話す資格はないのではないかと思う人もいるでしょうけど、実はそうではないんです。むしろ完璧ではない人のほうが学びになります。

もちろん、今が失敗の真っただ中であれば話すことは難しいけれど、その失敗をどう乗り越えたか、どう自分なりに受け入れたかということは大きな価値なんですね。失敗を話すのは恥ずかしいという人は、心の矢印が自分向きになっていて、「自分がどう見られたいか」を念頭に置いてしまいがちです。

講師業は聞き手に矢印を向けて話す仕事ですから、聞き手が何に価値を感じるかが大事になります。自分が失敗したり、上手くいかなかったことを乗り越えた経験が、聞き手の心を動かすんです。

――なるほど。どんな人でも多かれ少なかれ失敗はしているわけで、その生の声を届けることで話に価値が生まれる。

鴨頭:例えば、19歳のアルバイトリーダーの子の話は、40歳の管理職や経営者の人にはおそらく価値がありません。ただ、これから初めてアルバイトをする高校1年生の子たちにはすごく価値がある。そう考えれば、完璧じゃなくてもいいですよね。

――では、自分の経験を人のために役立てたい、セミナーや講師で自分の経験を伝えたい!と思った人は、まずどんな準備をすべきでしょうか? 持っているべきスキルなどがあれば教えてください。

鴨頭:講師としてデビューするときに、まず初めに取るべきアクションは、本書の中にも書きましたが、会場を予約することです。なぜなら、会場を予約しセミナーの集客を始めたときから人は必ずコンテンツ作りや集客に取り組むようになるからです。

また、講師のタイプによって必要なスキルは異なりますが、全ての講師のタイプに共通して必要なことは「スピーチ力」です。どんなに素晴らしい知識や体験があったとしても、聞き手に伝わるスピーチスキルがなければ価値に転換されにくくなります。

ある一定のスピーチスキルを身に着けているひとであればどのような些細な体験であってもそれを必要としている人に届けることができる。なので、準備段階として必要なスキルは「スピーチスキル」と言えるでしょう。

――本書では自分の存在を知ってもらうための手段としてYouTubeの活用をすすめています。鴨頭さんがアップされている動画の中には、300万回近い再生数を誇る動画もあります。普段のYouTubeの運用方法、再生数を増やすための工夫、動画制作で心がけていることを教えて下さい。

鴨頭:はい、実はつい先ほど私がアップしている動画のトータルの再生回数が5000万回を突破しました(笑)。

YouTubeは講師業にとって最強のツールです。なぜなら、お客様と出会う前に信頼関係を構築出来るから。人はその人についての情報量が多ければ多いほど、信頼をします。そして、テキストや画像よりも動画のほうが圧倒的にその講師の考え方や声や表情やトーン醸し出しているオーラなどを届けることができます。

つまり、YouTubeをお客様が見て、その講師の情報をたくさん得た上で「この人の話だったら信頼できる」と思ってから講座に参加することができる。そうすると、何の疑いもなく講演からコンテンツを持って帰ることができますよね。つまり、YouTubeはお客様が安心するためのツールなんです。

YouTubeの運用方法についてはそれだけで一冊の本になるくらいノウハウがたくさんありますが、もしこれから動画を始めようと思っているならば、とにかく一個でも早く動画を上げ、一回一回改善をしていくことをアドバイスします。

改善のプロセスの中で、きっと他の人気のYouTuberの動画がなぜ再生回数が多いのかということを理解できるようになっていきます。だから、まず知識を大量に入れることよりも自分が動画を上げながら優秀なYouTuberと比較し、ブラッシュアップしていく。これが道筋と言えるでしょう。

――鴨頭さんのプロ講師としてのポリシーを教えてください。

鴨頭:僕の講師としてのポリシーは「良い情報を撒き散らす」なんです。なぜなら、人は情報に影響を受けて生きているから。

例えば周りの人がいつも否定的で「夢なんて叶わない」「そんなの綺麗事だ」という情報ばかりで埋め尽くされれば、人はチャレンジする意欲を無くし、やがて周りに染まってしまうでしょう。
でも、「全体叶うよ!」「応援するよ!」とポジティブな情報ばかりが集まっていれば、人は新しいチャレンジをどんどんして、夢を叶えていくことができます。人は情報で変わりますから、私は「良い情報を撒き散らす」という事こそが講師業の醍醐味、存在意義だと思っています。

――では最後に、本書をどのような人に読んでほしいとお考えですか?

鴨頭:講師業を目指している人。また、今現在は講師業を目指していないけれど、今まで様々な知識や経験をもっていて、「今後、世の中に何か残したい!」と思っている方ですね。そんな時にこの本を読んで「そうか!自分の経験を伝える事によって自分が今まで人生を生きた証を残せるのだ!」という気付きとアクションをとってもらいたいですね。

(了)

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