「わかっているけれど、やめられないこと」はあるだろうか。
例えばトイレに入ってまでスマートフォンをいじってしまう。今の会社に勤めていても何も未来はないのに辞めることができない。健康に悪いとわかっているのに毎日ラーメンを食べてしまう。
やめたほうがいいと分かっているのに、やめられない。
こうした「何かに依存している状態」から抜け出すにはどうすればいいのか。
さまざまな依存症やプチ依存から抜け出した人たちのエピソードが書かれた『ずっとやめたかったこと、こうしてやめられました』(汐街コナ著、大石雅之監修、サンマーク出版刊)には、"やめられない"自分を変える方法が紹介されている。
100時間の残業が当たり前の会社を辞めたいけれど、辞められない。
この場合、あなたはブラック企業依存かもしれない。
本書の著者である汐街コナさんは、前著『「死ぬくらいから会社辞めれば」ができない理由』(あさ出版刊)でも書いているように、100時間残業当たり前の会社に勤め、死にかけた経験を持つ。
周囲が残業ばかりしていると「残業は当たり前」と思い込んでしまいやすいが、その状態はもはや「洗脳」だ。
「当たり前」と思い込んでしまうと、そこから逃げられないよう心理的な鎖がかかる。こうして現実に戻れなくなるわけだが、「洗脳から始まる依存の一種と言えるのでは」と本書に登場する担当編集者は述べる。
そして、生活のほとんどの時間を仕事に費やしていると、会社だけの世界になる。こうしてつらいことが日常となり、「つらい日常」に依存することになるのだ。
この「ブラック企業依存」に陥りやすい人にはタイプがあるという。
・「仕事ができるかどうか」を基準に自分の価値を考える人
・プライベートがなくても仕方ないと思ってしまう人
・皆つらいんだから我慢しようと思う人
つまり、価値基準を「仕事」や「皆」に置いている人はブラック企業依存に陥りやすい。
そこから抜け出すには、価値基準を「自分」に置くこと。自分が好きなこと、自分が人生で何をすべきか。それが何なのかを考えてみると、ブラック企業から自分の人生を取り戻せるのだ。
スマホ依存やブラック企業依存、恋愛依存など、依存症とは言わないまでも、誰にでもプチ依存はあるはず。やめたくても、やめられないというものがある人は、本書を参考にしてみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)
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