仕事でも恋愛でも、うまくいかなかったりアンラッキーが重なると、私たちはつい「○○のせいで」と、環境や周囲の人など「自分以外の物事」にその原因を求めがち。
でも、夢や目標を次々と実現させていく人、幸せな人生を送る人は、決してそんなことはしません。
「物事がうまくいかない原因はすべて自分の中にある」と語るのは『魂磨きで魔法のように願いを叶える』(あさ出版刊)の著者、水紀華(みずき・はな)さん。水紀さんはこの本の中で、どんなに辛い現実も悲しい出来事も「自分の魂を磨くためのチャンス」と捉え成長の糧にする「魂磨き」を提唱しています。
今回はこの「魂磨き」とはどのようなもので、自己実現とどんな関係があるのか。水紀さんご本人にお聞きしました。
■お金も恋愛も「自ら与えられない人」はうまくいかない
――『魂磨きで魔法のように願いを叶える』についてお話を伺えればと思います。まず、タイトルにもある「魂磨き」とはどのようなものなのか教えていただきたいです。
水紀:ひと言で言うなら「目の前の現実から得た学びを通して意識を変えることで、自分の行動を変えていくこと」です。
「魂磨き」は、自分に起きた現実はすべて魂を磨くために起きているという考えが前提にあります。その現実から逃げずに受け止めれば、何らかの学びを得ることができる。そうした学びや気づきが積み重なることで思考は変わっていくはずです。そして思考が変われば行動がかわり、行動が変われば人生が変わります。これを継続することによって人として成熟していこうというのが「魂磨き」のテーマになっています。
――水紀さんはどのように「魂磨き」に出会ったのでしょうか。
水紀:私は今大学3年生なのですが、小学生の頃から「美を通して人を笑顔にしたい」という夢があって、高校生くらいから美容についてSNSやブログで情報発信していました。
そういう活動を続けているうちに、ブログの読者さんから声をかけていただいて、19歳の時にダイエットや体質改善の指導をする会社を起業したのですが、その頃から体と心は繋がっていて、心や思考を変えないと体質改善やダイエットなど身体面の改善もされにくいということがだんだんとわかってきたんです。
それで「引き寄せの法則」ですとか、スピリチュアルだとか、自己啓発系のことを学ぶようになったのですが、そんなある時大失恋をしまして......。
――失恋ですか?
水紀:相手は高校生の頃からの知り合いで、上京してから付き合いを始めて同棲したりもしていたんですけど、見事に振られてしまいました。それで、当時ちょうど占いを習っていて、その先生に「あなたの魂は曇っている」と(笑)
――失恋で傷ついているところに意味深なひと言が。
水紀:そんなこと言われたらびっくりするじゃないですか。「曇っているって何?!」と一週間くらい考えてしまったのですが、「魂が曇っているなら磨けば何か人生が変わるんじゃないか」ということで生まれたのが魂磨きです。
それで、その失恋について自分なりに振り返ってみたら、当時彼のせいにしていたことも、よくよく考えると自分が悪かったなと思えるところが多々あって、誰かに幸せにしてもらうのではなくて、好きになった人を自分が幸せにできる人間になりたいと思いました。色々な意味で自分と向き合うきっかけでしたね。
――どう「魂磨き」をしていくかということについてお聞きしたいのですが、たとえば『お金持ちになりたい』という人はどんな魂磨きをすればいいのでしょうか?
水紀:お金に限らずなんでもそうだと思いますが、自分に何かを与えてくれる存在がいるとしたら、それは「神様」ではなくて「人」です。人が人に何かを与え合って生きているのが私たちの社会なので、その社会でお金を手に入れたいのなら、人から「この人に何かを与えたい」と思われる人になれるような方向付けが必要だと思います。
――もしかしたら恋愛もそうかもしれませんね。
水紀:「この人を愛したい。この人のために何かをしてあげたい」と思われる人間性にならないと恋愛はうまくいきません。一方的に欲しがってばかりだとうまくいかないという意味では、お金も恋愛も同じですよね。まず自分が相手に何かを与えないことには、人から与えられる人にはなれないと思います。
――本書の中では「自分に起きた現実はすべて魂を磨くチャンスだと捉える」と書かれていましたが、一方で「物事を無理にポジティブ変換するのは良くない」とも書かれていました。両者の違いについて教えていただきたいです。
水紀:ポジティブ変換の根本にあるのは「ネガティブなこと=悪」という思い込みなんですよね。でも、その思い込みを持ったまま物事をポジティブに捉えなおしても、それは自分を偽って「ポジティブな自分」という空想を作り出しているのと同じです。これではいずれ苦しくなってしまいます。
だから「ネガティブ=悪」という考えは捨てて、自分に起きたネガティブな現実や、ネガティブな自分を受け入れましょうと言いたいです。そうすれば現状を変える対策を打てるわけですから。
――本書はジャンルでいえば「スピリチュアル」だと思いますが、水紀さんの考え方はスピリチュアルによくある空想的なものではなく、とても合理的です。
水紀:よく「現実的なスピリチュアル」だと言われます。スピリチュアルって「神様が...」とか「波動が...」といった話になりがちなんですけど、普通の人はなかなか理解しがたいでしょうし、何より現実逃避になりがちです。
だから、私は「スピリチュアルは現実生活を幸せに生きるためにあるもので、まず現実社会をしっかり生きないとスピリチュアルは使いこなせませんよ」ということを言っています。
――まず足もとの現実を見ないと、スピリチュアルに溺れてしまう。
水紀:占いにのめりこんだり、壷を買ったりね(笑)
(後編につづく)
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