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耳の不調を感じたら「サウンドメディテーション」で自律神経を整える

  • 書名 聴くだけで自律神経が整い耳がよくなるCDブック
  • 監修・編集・著者名今野 清志
  • 出版社名学研プラス

誰かと話していると、相手の言葉が聞き取りにくくなった。TVの音量がうるさいといわれる。よく耳鳴りがする......。そんな耳の不調は、自律神経の乱れが原因かもしれません。

人間のさまざまな器官をコントロールする働きを持つ自律神経は、疲弊して乱れると、五感の衰えにもつながります。五感の一つである「聴覚」も例外ではありません。
では、耳の不調を感じたら何をすればいいのでしょうか?

■聴神経を刺激する「サウンドメディテーション」

『聴くだけで自律神経が整い耳がよくなるCDブック』(学研プラス刊)の著者、今野清志氏は、乱れた自律神経を整え、聞こえの悪さを改善するには、「サウンドメディテーション(音の瞑想)」が良いといいます。

特に自律神経のバランスを整える刺激になるのが「自然音」。

日常生活にあふれる「人工音」は、そのほとんどが低周波です。低周波は大雑把で単調。脳が不快に感じて、ストレスを生み、音を聴き取る感覚を鈍らせるといいます。
一方、「自然音」は、高周波です。音が響きあい、繊細でゆらぎのあるやさしい音は、脳を活性化させて自律神経によい影響を与えるといいます。

「自然音」を聴くのには、実際に自然のある場所へ出かけるのが一番ですが、動画やCDを活用するのもひとつの方法。動画であれば、「自然音 森」などと検索すれば、簡単に見つかります。

一口に「自然音」といっても、様々なロケーションがあります。そこでおすすめのロケーションと聴き方のポイントを紹介してみましょう。

■気持ちを鎮める「森林」の音

森林の中にいると、小鳥のさえずり、草木のざわめき、やわらかな風の音など、様々な音色が聴こえてきます。実際に、森林の中にいるようなイメージで、五感を研ぎ澄ませながら森林の音を聴くことで気持ちが落ち着いてきます。
また、音が聞こえてくる方向や距離を感じるのもポイント。音の種類を聴き分けることで、耳の注意力を上げることができます。

■ゆらぎが感じられる「海の波」の音

海の波音は、心を穏やかにする音です。浜に打ち寄せるチャプチャプという静かな波。少し強い風によって打ち付けるような波。一定のリズムがあるようでないのが波の音の特徴。

波のように規則的な音と不規則な音が調和された状態を「1/f ゆらぎ」と呼びます。
このゆらぎの音は聞いているだけで自然と心が落ち着いてくるので、自分のリズムを整えるのにおすすめ。目を閉じて、広い海や青い空といったどこまでも広がる空間をイメージしながら聴きましょう。

■副交感神経を活性化する「秋の虫」の音

秋の夜の音といえば、スズムシやコオロギなどの虫の声。
少し高い虫の声は、イライラしたり緊張したりした気分をすっきりさせるのにうってつけ。副交感神経が刺激され、リラックスすることができます。
虫が鳴き始めてから鳴き終わるまでの「音の変化」を感じるように耳を澄ませてみましょう。

■日常にある音で「気づく」トレーニング

自然のある場所になかなか出かけられない。もっと身の回りにある音で耳の調子を整えたい。
そんな人は、日常生活の中で、音に気づくトレーニングをしてみるといいでしょう。

私たちは普段、多くの自然音と人工音が入り混じった音に囲まれて生活しています。
たとえば通勤通学中には、自動車やバイクの走る音に交じって、スズメやハトの鳴き声、街路樹が風に揺れる音を聴くことができます。雨の日や川の近くを歩けば水の音を聴くこともできます。

また、人工音ではありますが、電車内に響く走行音には「ホワイトノイズ」という自然音の一種が含まれており、リラックス効果があるといいます。
こうした日常生活の中の「自然音」を意識して耳で拾っていくことで、耳のトレーニングになります。

◇ ◇ ◇

実際に自然の中に身を置くときは、目を閉じて、様々な音から自然そのものを感じ取るようにしてみましょう。
また、動画やCDで自然音を聴くときには、耳を澄まさないと聴こえないくらいの音量に設定します。そして、音から感じる情景をイメージして、どんな音が聴こえるかを意識するのがポイント。
1日1分でも良いので、リラックスして楽しみながら、継続的、定期的に聴くことが大切です。

(ライター/大村佑介)

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