口内フローラという言葉をご存じですか?
人の口の中には悪玉菌と善玉菌、日和見菌からなる数多くの細菌が住み着いており、それをお花畑=フローラに見立てて、最近では、“口内フローラ”と呼んでいます。
この口内フローラのバランスが崩れて悪玉菌が増えると、口の中だけでなく、からだ全体に悪影響が及ぶことがあります。
■口の中の悪玉菌が、からだ全体に悪さをする
口内フローラのバランスが崩れて悪玉菌が増えると、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
また、最近の研究では、悪玉菌が、からだ全体に悪さをすることがわかってきました。悪玉菌が口の中の毛細血管からからだ全体に回ると、動脈硬化、心疾患、糖尿病、腎臓病、リウマチ性関節炎、アルツハイマー型認知症、さらには早産や低体重出産のリスクを高めることがわかっています。
また、悪玉菌が気管支や肺に入ると、65歳以上の死因1位である肺炎を引き起こす原因にもなります。
■日本人の9割が歯みがき下手
口内フローラのバランスが崩れる第一段階が、歯ブラシや歯みがきの広告でよく耳にする「プラーク(歯垢)」というものです。
プラークは悪玉菌のかたまりで、そのままにしておくと、歯に残った食べかすをエサにしてどんどん増殖することになります。このプラークを取り除くのが、歯みがき。毎日丁寧に歯みがきをして、プラークが溜まるのを防げれば、口の中の悪玉菌が悪さをするのを抑えることができます。
しかし、ここで問題があります。それは、日本人の9割が歯みがき下手だということです。
歯科医に教わったように歯みがきができる人は、ほんのわずか。つまり、ほとんどの人は、プラークは口の中に残ったままになるということです。そうなると、虫歯や歯周病、やがては、からだ全体に症状があらわれるようになります。ちなみに、成人した日本人の8割が歯周病にかかっているといわれています。
■1日3回、うがいで悪玉菌を洗い流す
歯みがきが下手な日本人がプラークを取り除くために、歯科博士である照山裕子さんは「毒出しうがい」を提唱しています。
これは、悪玉菌がプラークになる前に、悪玉菌もエサとなる食べかすも洗い流してしまうという方法。『歯科医が考案 毒出しうがい』(アスコム刊)には、いつでもどこでも口内フローラを整えることができるという、「毒だしうがい」についてくわしく紹介されています。
1日3回、食後に「毒出しうがい」をすれば、あらゆる病気の予防につながります。しかも、いつも口の中を清潔に保てることで口臭の悩みも解消されます。
誰でもカンタンにできる「毒出しうがい」。次の食後から始めてみませんか?
(新刊JP編集部)