年を取れば取るほど大切さがわかってくるのが貯金。そして、貯めようとしても思うように貯まらないのが貯金です。
ところで、今なかなかお金が貯まらない人は、その理由を「収入が少ないから」だと思っていませんか?
実はこれはまちがい。
収入が増えると同時に生活レベルも上がってしまう人は、出費がかさんで手元にお金が残りませんし、収入が多くなくても賢くお金を使える人は貯まります。貯金できるかどうかは、収入とはあまり関係がないのです。
『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎刊)の著者でファイナンシャルプランナーの西山美紀さんによると、貯金ができるかを決めるのは、お金の使い方や生活習慣、考え方など、いわば「体質」なのだそう。
■「ずっと欲しかった物」を買うか「ふと見かけた物」を買うか
たまたま入ったお店に置いてあった商品が目に入り、何となく買ってしまう「衝動買い」は多くの人が経験しているはず。
でも、「衝動買い」の場合、買ったその時は満足しても、その満足は長く続きません。冷静になって考えると「やっぱり買わなくてもよかったかな」と思うことがしばしばです。
これに対して、「ずっとこれが欲しかった」と思い続けてきたものを手に入れる買い物は、買う前からその商品のことを考えて幸せな気持ちになれますし、もちろん買うときも幸せです。そして念願かなって手に入れたものですから、買った後の満足も長続きします。
いい買い物はもちろん後者。その時の気分で買い物をするのではなく、「買った後」の満足度をイメージして買い物をするのが「貯まる体質」の人のお金の使い方なのです。
■気づいたらお金がない! 目に見えない「本当の浪費」とは
無駄なお金を使っていれば、貯まらないのは当たり前。そこまでわかっていても手元にお金が残らないのは、本当の浪費が何か見えていないからです。
たとえば、日課になっている毎朝の缶コーヒーやカフェでのテイクアウト、仕事帰りに買うコンビニのデザートなど、ちょっとした出費が習慣になっているということはありませんか?
こういった出費は金額が小さいこともあって、あまり浪費だという実感が持てませんが、一カ月積み重なると1万円、2万円という額になってきます。なんとなく習慣だからというだけでこれだけのお金を使うのは、やはり浪費です。
コーヒーを買うのが習慣なら、自宅で淹れたものを保温マグで持参する、仕事帰りのデザートは回数を減らしてみるなど、習慣化した出費を少しでも浮かせる取り組みをすると、手元に残るお金は確実に増えます。
■家にビニール傘がたくさんあるとお金が貯まらないワケ
ここまでを振り返ってみると、「何となくお金を使うこと」が貯まらない大きな原因だと言えそうです。
この悪習慣が出やすい例をもう一つ紹介しましょう。
「ビニール傘」です。
天気予報をチェックしなかったり、時間がなくて傘を持たずに出かけたおかげで、出先でビニール傘を買うはめになった、というのは典型的なNGパターンです。必要になるたびに買うので、家にはビニール傘が溜まる一方。
「どうせビニール傘だから」ということで、思い入れもなく買っているので、失くすことも少なくありません。それならはじめから自分が気に入った傘を買って、大事に使った方が長期的には節約になります。
必要に迫られて「手近なもので安く済ませる」意識は、貯金の大敵。どんなものを買うにせよ、意思を持ってお金を使うことが「貯まる体質」の習慣です。
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ここでは、「お金の使い方」をテーマに、貯蓄がはかどるタイプの「体質」を紹介してきましたが、西山さんはお金についての考え方や生活習慣などについても、ファイナンシャルプランナーならではの視点から解説しています。
ちなみに、本書は出版元であるすばる舎の新人作家発掘プロジェクトから生まれた一冊。今後も同様のプロジェクトが開催予定とあって、ビジネス書・実用書の世界にも西山さんに続く新たな新人作家の登場が期待されます。
(新刊JP編集部)
『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎刊)