通勤時間や寝る前、仕事の合間など、ちょっとした隙間時間は、とりあえずスマートフォンをチェックするという人は多いはず。
でもそんな細切れの時間が一か月、一年積み重なったら、かなりまとまった時間を無目的にスマホを眺めて過ごしていることになります。これって、結構怖いことですよね。
それだけじゃありません。『スマホの5分で人生は変わる』(KADOKAWA刊)を読むと、スマホに時間を取られ過ぎることは、人生を台無しにしかねない大問題だとわかります。
今回は著者の小山竜央さんに、その弊害についてお話をうかがいました。
■コミュ力がなくなり、夢を追う気力もなくなる 怖すぎるスマホの弊害
――『スマホの5分で人生は変わる』についてお話をうかがえればと思います。小山さんといえば、以前にも『5分の使い方で人生は変わる』という、隙間時間の大切さを説く本を書かれていました。
小山:今回の本は、その『5分の使い方で人生は変わる』と同じシリーズです。スマホはまさに隙間時間に5分くらいずつちょこちょこ見るもので、人によってはその5分が積み重なって、大きな時間になっている。
この時間をただ何となくスマホを見て過ごすのではあまりにももったいないので、何かしら有意義に過ごしてはどうですか、というコンセプトで書きました。
――確かにスマホをだらだらと見ることで時間を失っていると考えると、もったいない気がします。スマホに時間を取られすぎることの弊害は他にもありますか?
小山:健康面での弊害と、生活面への弊害があります。健康面での弊害は単純な話で、スマホを見る時は前かがみになりがちなので、首が前に傾く時間が長くなって、頚椎に負荷がかかるんです。
すると首や背中の痛みにつながりますし、猫背だとどうしても呼吸が浅くなりますから、体への酸素供給量も少なくなってしまう。
――生活面にはどんな影響があるのでしょうか。
小山:コミュニケーション能力が低下します。どういうことかというと、対面でのコミュニケーションというのは、あまり意識することはないかもしれませんが、人間が持つ五感をフルに使うものです。
相手の動きが目に入りますし、相手に触れることも、呼吸の音を聞くこともありますよね。でも、スマホでのメッセージのやり取りで使うのは視覚だけです。この割合が増えていくとその他の感覚が鈍くなって、それまで感じ取れていたことが感じ取れなくなってしまう。
こうなると、やはり対面でのコミュニケーションはうまくいかなくなってしまいますよね。
もう一つ忘れてはいけないのが、夢を追う意欲を奪われることです。スマホは見ているだけで快楽物質であるドーパミンが出ますから、脳の方はドーパミンを得るためにわざわざ困難に打ち勝って夢を実現させようとはしなくなってしまうんです。
――小山さんが考える「時間の無駄」なスマホの使い方はどんな使い方ですか?
小山:自分の目標や夢の実現、そして自分の成長に関係がないすべての使い方です。
単なるヒマつぶしで見ているだけ、とか、何の目的もなくネットサーフィンやゲームをしているだけ、といった使い方ははっきりいって時間の無駄だと思いますね。
ことスマホは使おうと思えばいくらでも使えるものですから、「今は何のためにスマホを使っているのか」という目的意識を持ったほうがいいい。そうでないと際限なく時間を奪われてしまいます。
(後編に続く)