お母さんにとって、わが子に初めて食べさせる手料理となる離乳食。
親としては自分の子どもが食事を好きになってくれるよう、健康に育ってくれるよう心をこめて丁寧に作りたいものですが、同時に他の家族の食事も準備しなければならず、支度が増えて大変ですよね。
でも、「離乳食と大人の食事は一緒に作れない」というのは思い込みかも。「大人もおいしく楽しめる離乳食」を作れれば、手間は減って、家族で同じものを食べる一体感も感じられるはず。
そんな観点から料理家の栗原友さんが考えた(&実際に愛娘を育てた)レシピ集が『クリトモの大人もおいしい離乳食』(扶桑社刊)です。「大人には味が薄くて物足りないんじゃないの?」と思われがちな離乳食ですが、メニューと工夫次第で大人でもおいしく食べられるんです。
■離乳食の最初から最後まで大活躍 「赤ちゃんも大人もおいしいお粥」の作り方
最近はダイエット食としても注目される「お粥」。作り方はシンプルですし、材料によって味のバリエーションを楽しめます。
また、初期の離乳食では上澄みを、歯が生えてきて固形物を食べる練習をさせたい時はお粥そのものを、というように、離乳食の時期を通して活躍してくれるのもお粥のいいところ。
ここでは鯛の出汁をたっぷり使ったお粥のレシピを紹介します。
材料(約3食分)
・鯛の出汁…500ml
・米…1/2合
・水…適量
・塩…ごくわずか
作り方
1. 鍋に洗った米と出汁を入れて、中火にかける。沸騰したらアクを取って弱火に落として20分ほど煮る
2. お好みの水分量とお米の柔らかさになるまで水を足して調整。最後に塩を加えて完成
鯛とお米の甘みが絶妙で、大人が食べてもホッとする一品。栗原さんはこの粥に「きゃらぶき」をトッピングして食べるのがお好みとか。
本の中で紹介されている「どんな魚でもおいしい出汁がとれる方法」も参考にしたいところです。
■焼きなすにナンプラー おいしくて個性的な離乳食
歯が生えて、少しずつ食べ物を噛めるようになってくる7~8カ月頃からは「焼きなすナンプラー風味」にも挑戦してみましょう。
「離乳食にナンプラーなんて大丈夫?」と思うかもしれませんが、ベトナムでは離乳食にナンプラーと同じ魚醤のニョクマムを使うそう。心配はありません。
材料(2食分目安)
・なす…1本
・ニョクマム…数滴
作り方
1. 焼きなすの皮をむいて、食べやすいサイズにカット
2. 熱いうちにニョクマムを数滴かけてから、粗熱をとる
熱いうちにニョクマムをかければ、冷める間になすにゆっくり染みてよりおいしくなります。これもまちがいなく大人でもおいしいはず!
本書では、赤ちゃんとパパ、ママが一緒においしく食べられるレシピがまだまだたくさん取り上げられています。
各レシピには「ゴックン期(5~6カ月)」「モグモグ期(7~8カ月)」「カミカミ期(9~11カ月)」「パクパク期(12~18カ月)」と、離乳食の段階に合わせたマークもついてます。
わが子の離乳食期を、楽しく乗り切るために活用してみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
『クリトモの大人もおいしい離乳食』(扶桑社刊)