スマートフォン一台があれば、スキマ時間でできてしまう「ネットせどり」ビジネスが副業として注目を集めつつある。その舞台は「メルカリ」と「Amazon」だ。
こうした転売ビジネスは、いかに安く、良い商品を仕入れることができるかが鍵になるが、『月10万円ラクに稼げる「スマホせどり」入門』(日本実業出版社)の著者である斉藤啓太さんは、「メルカリ」による仕入れを強く勧めている。
それは一体なぜなのか? これから副業を始めたいと思っている人に向けて、「ネットせどり」における仕入れのコツを斉藤さんにお聞きした。
■「ネットせどり」は仕入れが大事! いかに安く仕入れるには?
――これから「スマホせどり」を始めてみようと思っている人もいると思います。確実に儲けを出すためにまずは何をすべきでしょうか。
斉藤:こういう場合、仕入れの商品をどうすべきか、高く売るにはどうすればいいかといったことを最初に気にすると思います。
もちろんそれも重要なのですが、初めて挑戦してみるときは、まずインターネットでの個人売買に慣れることが大事ですね。それこそ「メルカリ」は手軽に出品できますし、「Amazon」や「ヤフオク!」ほどハードルは高くありません。
「メルカリ」で不用品を出品してみて、「売る」という感覚を身に付けることが大事です。また、「メルカリ」は取引相手からコメントが届きます。質問だったり、値引きのお願いだったりというコミュニケーションが発生するので、そういうものに慣れることも必要です。
――いわゆる、売る上での「成功体験」をつくるわけですね。
斉藤:そうです。本にも書きましたけれど「松ぼっくり」や「どんぐり」なんかも売れてしまったりするんですよ。いろいろ出してみて、どういうものが売れ筋なのか見極めることも大事ですね。
――稼げる商品を見つけるリサーチのテクニックを教えて下さい。
斉藤:限定商品や季節商品ですね。例えば春でしたら入学式、入社式などのイベントがありますし、秋だったら運動会やハロウィン。必ずニーズはあるけれど、シーズンオフは使わないという品物は、時期が合えば狙い目です。
基本的には好きなものであれば商品価値も正しく把握することができるので、そういったものの中から自分の得意ジャンルを見つけると良いと思います。
――得意ジャンルがないという人はどうすればいいでしょうか。
斉藤:鉄板は携帯電話やゲームです。これで月10万円くらいは稼ぐことができると思います。その他には家電ですかね。新しい商品が出ると型落ちが出てきて安く仕入れられますし、それが意外と高く売れたりするんです。
また、最新のものが売れるばかりではなくて、古すぎて高く売れるということもあります。今ではVHSビデオデッキなんかが狙い目で、新品であればすごく高く売れますよ。
でも得意ジャンルはつくっておいたほうが絶対に良いと思います。せどりビジネスの参入者が増えたときに、自分の中で確実に儲けることができる領域になるので。
――家電製品などは単価が高いですよね。最初は値段の高さに怖さを感じる人もいるのではないでしょうか。
斉藤:なので、慣れるまではフリマ感覚で安い商品を出品するなどして、だんだんと扱う金額を大きくしていくことが理想です。儲けも1000円で買ったものを1100円で売るくらいでいいと思いますよ。
――先ほど「メルカリ」では値下げ交渉ができるというお話がありましたが、これは商品の仕入れにおいて非常に重要な部分だと思います。斉藤さんはどのように値切りをするのですか?
斉藤:その部分はコミュニケーションなので、強引に「値下げして!」とお願いするのは出品者側にも迷惑をかけます。そうなると、値下げをしてくれなくなるかもしれません。
礼儀を大事にして、「どうしてもこの商品が欲しいけれど、〇円でお願いできませんか?」と粘り強く交渉したり、他の商品とまとめて買うので割り引いてほしいと伝えたりします。
また、商品の「いいね!」ボタンを押すと、出品者が値下げしたときに通知がくるんですね。値下げをするということは売りたいと思っていることですから、そのタイミングで交渉をするのもいいでしょう。私は3万円の商品を1万5000円まで値切ったことがあります。
ただ、値引き交渉のやりとりは第三者も覗くことができるので、交渉中に別の人が「私、その値段で買います」と言ってきたら、商品を持っていかれる可能性があります。それは注意ですね。
――では、『月10万円ラクに稼げる「スマホせどり」入門』をどのような人に読んでほしいですか?
斉藤:会社員をやっているけれど年収が上がらない、副業したい、主婦や学生の方でお小遣いがほしいという方は、スマホ一つで完結するビジネスなので楽しみながら稼いでもらえればと思います。
(了)
『月10万円ラクに稼げる「スマホせどり」入門』の著者、斉藤啓太さん