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これは選挙版『もしドラ』だ! 女子高生バトルで学ぶ投票の重さ

 今夏の参議院議員選挙の注目ポイントは、安倍首相が押し進める憲法改正を国民がどう判断を下すかとともに、公職選挙法改正によって選挙権を持つ年齢が満18歳まで引き下げられる影響がどのくらい出るのか、というところだろう。

満18歳以上、ということは、高校3年生でも票を投じられるようになるということだ。今回の改正によって、約240万票が増えるといわれているのだから無視はできない。どれだけ若者たちの声が反映されるのか、期待が高まる。

■私たちは選挙でリーダーを選んでいる

日本の政治は議会制民主主義(間接民主制)であり、自分たちのリーダーを選挙によって選出して、代わりに政治をしてもらうという政治システムである。国会答弁が行われている中で居眠りをしていたり、よくわからない問答を重ねて失笑を買っていたり、不倫や収賄で世間から非難を浴びたりする政治家たちは、すべて私たちが選んだ「リーダー」だ。

私たちはよく政治家を糾弾するが、そのリーダーを誰が選んだのか? それは私たちに他ならない。選挙に行って投票をするという、決められたルールの中でしか、その意思を反映させることはできないのだ。

■「政治家選びの間違いは、ただの人災じゃ」

小説形式で、政治の仕組みを説明する『東京ガールズ選挙(エレクション)こじらせ系女子高生が生徒会長を目指したら』(長嶺超輝著、ユーキャン刊)の登場人物が、こんなことを言っている。

=====(83ページより引用)
民主主義の社会におけるリーダーは、人々の政治に対する思いを、鏡に映したものじゃからな。われわれは結局、自分たちと同じ程度のリーダーしか獲得できん。政治に関心のない国民から出てくる政治家は、果たして、どれほど国民に関心を持っているじゃろうか。たとえば、地震や津波、台風などの天災による被害は、人間の力では避けられず、どうしようもないことが多い。じゃが、政治家選びの間違いは、ただの人災じゃ。
=====

この本は、“こじらせぼっち”の女子高校生・磯山いづみが、アイドル気取りの女子生徒会長・日色冴と、校内に聳える樹齢300年のイチョウの樹の撤去をめぐって対立。いづみが徳川将軍家の血を引く16歳の亡霊・徳川家基とともに、阻止しようと試みて、生徒会長選挙に出馬するという物語が描かれている。

ひとりぼっちながら信念に基づいて行動するいづみと、自分の人気をいいことに横暴に振る舞う冴。あなたならばどちらを選ぶだろうか?

■「自分の一票は本当に意味があるの?」という人に読んでほしい

「自分が投票してもしなくても、結果は同じじゃないの?」と思っている人こそ、この本は目からウロコになるはずだ。また、エンタメ小説の形式で書かれている本書はさながら選挙を描いた『もしドラ』(『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』)ともいえるほど青春の味に溢れていて、そちらのストーリーも楽しめるだろう。

「投票に行くこと」はお金もかからないことだし、散歩にもなる。ということもいえるが、もっと大事な意味がある。自分にとっての「投票」の意味を考えるにはもってこいの一冊だ。

(新刊JP編集部)

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『東京ガールズ選挙 こじらせ系女子高生が生徒会長を目指したら』(ユーキャン刊)

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