突然ですが、次の3つのことはすべて本当だと思います?
「アフリカで文明が発達しなかったのはシマウマの気性が荒かったから」
「宗教改革が起きたのはローマ教皇庁のイカサマが原因」
「科学的に正しいかどうかは、美しいかどうかで決まってしまう」
では、一つ一つ詳しく見ていきましょう。
●「アフリカで文明が発達しなかったのはシマウマの気性が荒かったから」
現在もなお世界を牽引している欧米諸国では、ウマが活躍したことも大きいとされています。馬車などによる移動手段として、農耕用として、食用として、ウマは文明の前進に大きく貢献してきました。
一方でアフリカにいたシマウマは、動物の中でもトップクラスに扱いにくい非常に臆病な動物です。そのため、人間が扱うことができなかったのです。これが欧米とアフリカの文明に差をつけてしまった大きな要因の一つになった、というわけです。
●「宗教改革が起きたのはローマ教皇庁のイカサマが原因」
十字軍遠征の失敗などで権威が失墜したローマ教皇庁は、資金調達のために新たな手口をとります。贖宥状(免罪符)の発行です。「免罪符を買えば、神様が罪を許してくれますよ!」と呼びかけたのです。しかし、すぐさま、そんなイカサマに反抗した者たちが現れます。それが、ルター、カルヴァンなど宗教改革で有名とされる人たちだったのです。
●「科学的に正しいかどうかは、美しいかどうかで決まってしまう」
これは科学史にまつわるエピソードです。地球が不動で空が動くという天動説を否定し、現在正しいとされる地動説を唱えたのはコペルニクス。彼が地動説に至った最大の要因は、「地動説が美しかったから」です。
地球以外の星が複雑な動きをする天動説に比べ、惑星が太陽を中心に楕円運動する地動説は非常にシンプルです。実はコペルニクスは科学者であると同時に、敬虔な宗教家であったため、「神様が複雑な世界を作るわけがない。地動説のようなシンプルで美しい世界を創造されたに決まっている!」とし、地動説を唱えたのです。
実は3つともすべて本当なのです。こうしたウソみたいなエピソードの他にも、世界史には一見「?」と思えるけれど、裏を知ると「なるほど」と思える逸話がたくさんあります。
「市民がお腹が空きすぎると、革命が起きる」
「国家紛争は誠実さの押し売り合戦」
「中国が、自分たちが世界の中心だと思うのは、儒教のせい」
「日本は銃とキリスト教を発見させられた」
「通貨の価値は人気投票で決まってしまう」
「国の種類はたった2種類しかない」
これら一つ一つがそれぞれ何のエピソードをあらわしているのか、分かった人も多いかもしれません。
世界史というと、「とにかく年号とか膨大に暗記させる」「固有名詞が次々と出てくる」「場所や時代が目まぐるしく変わる」などと、なにかと遠ざけられがちな科目の一つです。
でもそれは、授業での教え方や、これまで読んできた本が悪かっただけ。
世界史は、本当はすごく面白い科目です。それを教えてくれるのが『「24のキーワード」でまるわかり! 最速で身につく世界史』(アスコム刊)。
世界史上の大事件の裏にある意外な裏話やエピソードを明かしながら、世界史の楽しさに気付かせてくれる一冊です。
本書を執筆した、TBSテレビのプロデューサー・角田陽一郎氏はバラエティ番組の視聴者に向けるように、わかりやすく書いたといいます。
今まで世界史は苦手で…という人も、意外な裏話の数々を通して、世界史を好きになれるはずです。
(新刊JP編集部)
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