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いま話題の塩フリージングって何?

 スーパーでまとめ買いしてきた肉や野菜。一度で使い切れなかった場合、どのように保存していますか? つい冷蔵庫に入れたまま放置してしまい、気づいたときには食材をダメにしてしまったという経験はありませんか。
 冷凍すれば「腐らせてしまう」ということはなくなりますが、一方で「解凍して食べたら味が落ちていた…」という経験のある人も少なくないのではないでしょうか。
 そこで今回は、素材を美味しく長持ちさせるための方法として話題になっている「塩フリージング」をご紹介します。これは、素材に少し塩をプラスした上で冷凍保存することにより、色ツヤや食感をキープするというものです。

 『“塩フリージング”で冷凍保存が変わる (別冊ESSE)』(濱田美里/監修、扶桑社/刊)では、その手順や効果が解説されています。塩フリージングの最大の特徴は、塩もみや塩ゆでをすることで素材の余分な水分が抜けるため、キュウリやモヤシ、ジャガイモ、葉物野菜など、そのままでは冷凍に向かないとされる野菜も、食感を残したまま冷凍できるという点です。
 ほかにも、塩をふって冷凍した肉は1か月くらいたっても変色しませんし、食べても解凍後とは思えない味と食感。アジやイカは新鮮なうちに内臓なども取らずに丸ごと、塩水に漬けて冷凍すると、解凍後にお刺身で食べることができます。

 塩フリージングした食材はカットしてから冷凍しているので、下ごしらえしないで料理に使うことができます。調理の手間が省けてラクができるのもポイントですが、すごいのはそれだけではありません。塩フリージングした肉や魚を調理すると、素材に浸透した塩味とうま味が引き出された食材の味によって料理がおいしくなるそうです。

 塩フリージングの方法には「ゆでる」「もむ」「ふる」「漬ける」といった多彩なバリエーションがあり、素材によって、とるべき方法は異なります。それぞれ具体的にどのような手順を踏めばよいのでしょうか。

■葉物野菜や根菜類は10秒ほど塩ゆでする
 インゲンやアスパラ、葉物野菜、根菜などの野菜と、煮魚にする切り身魚などは塩ゆでして冷凍保存するのがよいでしょう。沸騰した湯に対して1%の塩を加え、10秒を目安にサッとゆでれば充分です。ただ一度にたくさんの食材を湯に入れてしまうと、湯の温度が急激に下がり、ゆで加減にムラが出てしまうので注意が必要です。

■キュウリやキャベツは塩もみして水分を抜く
 キュウリや大根、キャベツなど、水分が多く、冷凍保存には向かないとされている野菜も、薄切りして塩もみし、余分な水分を抜くことで冷凍保存が可能になります。炒め物やスープなどにそのまま入れたり、解凍して和え物やサラダにすると絶妙の食感を味わえます。

■肉や魚の切り身は重量の1%程度の塩をふる
 肉や切り身魚は、そのまま冷凍保存するとタンパク質や脂質が変質し、冷凍焼けや冷凍臭などの劣化が起きて風味が大幅に落ちてしまうことがあります。でも塩をふれば、劣化を抑えられ、下味もついてうま味もアップ。ふりかける塩の量は素材の重量の1%を目安にしてください。

■魚を丸ごと使うときは塩水でひたひたになるよう漬ける
 丸ごと一尾の魚やイカを保存する際は、新鮮なうちに洗い、内臓やウロコはついたまま、1%の濃度の塩水に漬けて冷凍しましょう。内臓を除いて塩水に漬けると水っぽくなってしまうので要注意。また冷凍用保存袋に入れる際、素材全体が塩水に浸かるようにすることもポイントです。

 ちなみに塩フリージングでは、塩が素材の内部にまでじわじわ沁み込むため、最初にふった塩がそのまま出来上がりの味を左右します。したがって、できればミネラルやうま味が豊富に含まれている天然塩を使うことをすすめています。
 
 『“塩フリージング"で冷凍保存が変わる (別冊ESSE)』は、野菜、肉、魚介類と、合計60種類を超える素材ごとに塩フリージングの詳細な手順や解凍方法、使い方を解説。また塩フリージングした素材を使った「ラクうまレシピ」を紹介しています。旬の素材をムダなく美味しく食べるために知っておいて損のない内容といえるでしょう。
(新刊JP編集部)

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『“塩フリージング”で冷凍保存が変わる (別冊ESSE)』(扶桑社刊)

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