10月31日から11月1日にかけて東京・神保町で開催される「神保町ブックフェスティバル」。今年で25回目を迎えるイベントで、本好きならば足を運んだことがある人も少なくないだろう。
神保町といえば古書店や書店が連なる一大「本屋街」だ。書店をはしごして本を物色することは本好きにとって至福のひと時。そして、そんなときにこみあげてくるのが書店員さんに対する感謝の気持ちであったりする。
では、書店員さんはどんなことを考えながら働いているのだろうか?
『書店員あるある』(書店員あるある研究会/著、廣済堂出版/刊)には、書店員の「本音」や「あるある話」が多数紹介されている。客側から見ても「たしかに見覚えある光景だな」と納得したり、「そんなことも起きているのか!」と驚かされたり、何かと楽しませてもらえる一冊である。本書からいくつかエピソードをご紹介しよう。
■会計時、お客から「カバーも帯も全部捨ててください!」といわれる
「書店カバーもしおりも…」と何でも欲しがる客がいる一方で、こういう客もいるらしい。持ち歩いているうちにカバーが折れてしまったり、帯が破れてしまったりしてイライラするぐらいなら…ということなのかもしれないが、書店員さんが「あるある話」として紹介するほど日常茶飯事だというのには驚いた。また、いざカバーを取ってみて、表紙のデザインがあまりにイマイチだったらしく、「やっぱりいいです」と買うのを改める客もよくいるらしい。
■勤続年数が長いスタッフほど色白
本の日焼けを防ぐため、書店には窓が少なく日が差しこまない。よって、そこで働く期間が長くなればなるほど色白になっていくという。
ちなみに他にも、「見た目」に関する「あるある話」として、「店員のメガネ率が高い」というものもある。
■著者がこっそり自分の本を目立つように並べかえている
「購入者が現れるのをじっと待つ」「棚差しになっている自分の本を平積みにする」など、書店員さんの間では、有名な「この人、著者なんじゃないか?」と思ういくつかの不審行動があるらしい。
ちなみに、これはある作家の対談本で目にしたエピソードだが、売れっ子作家の話題作が出て、平積み台のカサをかせぎたいとき、新人作家の書籍を平積みの「土台部分」に使うこともあるという。本は本屋で売れる。そこは実は戦場の場だったのだ。
本書には他にも、「ゴルフ本を読むおじさま。スイングを我慢しているが、からだがビミョーに揺れている」「児童書コーナーは、1時間に1回は巡回しないと、目もあてられないほど荒れる」など、400本にも及ぶ書店員さんの「あるある話」が紹介されている。
これを読んで書店めぐりをしてみると、また違った楽しみ方ができるかもしれない。
(新刊JP編集部)
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