何かを始めたばかりの頃は、自分の変化や成長を実感しやすく楽しい。でも続ければ続けるほど、変化や成長は鈍くなる。努力量に対する成果が見えづらくなることで、しだいに続けるのが億劫になり、結局はその習慣を断ってしまった。そんな経験はありませんか。
『「続けられない自分」を変える本』(フォレスト出版/刊)の著者、大平信孝さんは「行動イノベーション」の専門家。行動や習慣化を通して変わりたいと思う企業経営者、アスリート、モデル、ビジネスパーソン、主婦、学生などのサポートを行ってきました。
本書では、そんな彼が蓄積したノウハウにもとづき、「途中で諦めそうになった」とき、挫折せずに新しい習慣を続けるためのポイントをアドバイスしています。
■「自分でコントロールできること」に意識を向ける
努力量に対して成果が見合わない。そう感じ始めると、何かを続けるのは途端にしんどくなるものです。そのような壁に直面したとき、どう突破口を見つけるのか。大平さんは、「自分でコントロールできること」と「自分でコントロールできないこと」を分けてみることをポイントとして挙げています。
言葉をかえれば、自分でコントロールできることは「行動」、自分でコントロールできないことは「結果」。
「結果につながるかどうか」を考えすぎて行動しなくなるというのが、最も避けるべきこと。まずは行動にフォーカスすることで結果が出る可能性は高まります。そして行動を起こし続けるうちに、少しずつ結果が出始める。つまり、行動することで結果が出て、楽しくなるという状態に持っていくことを第一に考えるのです。気づけば「続けるのがしんどい」というフェーズを抜け出せているはずです。
■自分が頑張ることによって喜んでくれる人の顔を思い浮かべる
人が最も力を発揮できるのはどんなときだと思いますか。本書によると「他人の喜びのために頑張ろうとするとき」だそうです。
あなたがマラソン大会に参加するとして、ゴールテープを切った瞬間、喜びを分かち合ってくれそうなのは誰かを思い浮かべてみてください。マラソンの練習をしていて苦しいときほど、このような具体的なイメージを持つことで「もう一踏ん張り」ができるようになるでしょう。
■体験を笑いに変える
何かの努力を続けるとき「もう一山を越える」ためのポイントは、自分がいま体験していることに「あとで誰かに面白く話す」という姿勢で臨むことです。
お笑い芸人が何かハプニングに遭遇したとき「おいしい」と思うように、自分がいま困難な状況に置かれているのであれば、「困難であるほど、あとで武勇伝にできる」と前向きに捉えてみる。そうすることで、つらいことも乗り越えやすくなるといいます。
また、このような姿勢を持つことで、自分を客観視でき、心に余裕を持てるようになるという効果も期待できます。
本書には、アリストレスが残した「人は繰り返し行うことの集大成である。だから優秀さとは、行為でなく、習慣なのだ」という言葉が出てきます。これまで何かに挑戦しては長続きせず自己嫌悪に陥ったことのある人ほど、「続ける」ためのヒントを得られる1冊といえるでしょう。
(新刊JP編集部)
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