健康に気をつけようとすればするほど「酒もダメ、タバコもダメ、運動しないとダメ」と息苦しい生活を強いられるようで、うんざりしてしまいますよね。
「できるだけ好きなもの、やりたいことを我慢せずに、健康でいたい」
これはわがままな願いなのでしょうか?
『ズルい健康法』(平松類、おかのきんや/著、自由国民社/刊)はこんな願いを持つ人に、確かなヒントを与えてくれます。
■痛風が怖い!でもビールは飲みたい
健康診断で「尿酸値」が高いことを指摘された時、まっさきに頭に浮かぶのは「痛風」でしょう。痛風はとにかく痛いといいますし、絶対なりたくありませんよね。
痛風は、体内の尿酸が足の親指の付け根に貯まって痛みが生じる病気です。これを予防したかったら、体内で尿酸へと変わってしまう「プリン体」を含むものの摂取を控えるべき。ここまでは多くの人が知っているはずです。
ところで、プリン体の摂取を控えるために、標的にされやすいのが「ビール」です。
「尿酸値が高いからビールを控える」というのは、ビール党の人にとってはつらい決断ですが、実はビールに含まれるプリン体は大瓶1本の中に20~50ミリグラムほど。痛風にならないための1日のプリン体摂取量の上限は400ミリグラム以下とされていますから、プリン体のこと「だけ」を考えるのであれば、大瓶10本くらいは飲めるわけです。
痛風予防のために、気をつけるべきはビールより食事です。たとえば白子100グラムの中にはプリン体が約300ミリグラム、牡蠣には約180ミリグラムも含まれています。ビールを我慢するよりもこういったものを食べすぎないようにした方が、痛風の予防としては効果的なはずです。
■血圧が気になるけど、ラーメンは汁まで飲み干したい
「ラーメンの汁は塩分が多いから、健康のためには残したほうがいい」
こんな話もよく耳にしますよね。
でも、「スープが飲めないならラーメンを食べる意味がない!」というラーメン愛好家もいるはず。
たしかに、塩分の摂りすぎは高血圧につながり、高血圧は動脈硬化や脳卒中につながるとされます。これは、塩分に含まれるナトリウムの働きとされているのですが、このナトリウムは、納豆やバナナなどに多く含まれるカリウムを摂取することで排出されやすくなるといいます。
もちろん、塩分の摂りすぎには注意が必要なのですが、ラーメンはどうしても汁を飲み干したい!という人は、一緒にカリウムを摂るようにすると(注意:腎臓や心臓に病気がある人は除く)、その塩分の中のナトリウムが体外に出やすくなるということは覚えておいて損はないはずです。
本書には、我慢せず、無理せず健康を保つためにすべきことが、まだまだ数多く取り上げられています。
食事制限も、運動もつらくて続きそうにない人、いそがしくて体のケアに気が回らない人は、「せめてこれだけはやっておこう」というものを見つけるためにも、本書を参考にしてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
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