一冊の本との出会いが人生を大きく変えることがある。仕事がまったく上手くいかずに悩んでいるとき、人生そのものに行き詰ったとき、何気なく手にとった本からヒントを得て、状況を打破できたことがあるという人もいるだろう。
ビジネス書作家であり、年間1000冊ものビジネス書を読むという水野俊哉氏に転機をもたらした一冊が、2009年に出版した自身の本『「ビジネス書」のトリセツ』(徳間書店/刊)だったという。
この本はビジネス書の読み方から、書き方まで指南する一冊で、その後の水野氏の人生を決定づける大きな役割を果たす。それは、これまで水野氏の出版セミナーに200人以上の受講者が集まり、100冊以上の新刊を生み出されてきたという状況を知ればおのずと分かるだろう。
そんな水野氏は、現在、自身の出版社(カシオペア出版)を立ち上げ、湘南で悠々自適の生活をしているという。東京で仕事があるときは愛車でドライブ。こうしたことができるのは、『「ビジネス書」のトリセツ』で述べたことを6年間、出版セミナーで繰り返し述べてきたからだ。年間1000冊の本を読み、そこで得た知識をベースに新たな本を執筆し、セミナーでその知識を生徒たちに教える。このサイクルを、水野氏はひたすらまわし続けてきたのだ。
そして『「ビジネス書」のトリセツ』から6年、待望の続編となる『新「ビジネス書」のトリセツ』(カシオペア出版/刊)を上梓した。
本書には、最新の「ビジネス書」についてのメソッドが詰め込まれている。
例えば「ビジネス書とデートせよ!」では、へミングウェイやフロイトといった世界的な芸術家・作家たちの日課を引き合いに出しつつ、かなりユニークなアウトプットの方法を紹介している。
海外のビジネス書を100冊解説する本を執筆していた水野氏は、そのうちの20冊をスーツケースに詰め込み、お台場のホテルのジュニアスィートに宿泊した。翌日、午前中の執筆をひと段落させると、今後はスーツケースを持って浅草で観光。さらに汐留のホテルにチェックインし、読書をしつつも、白ワインとカプレーゼで乾杯をする。こうして無事に原稿を終わらせた。
いわば、本とデートをしていたのだ。これは一つのビジネス書執筆のための方法であり、実践した水野氏は今の成功を手にしている。
本を書くというと、睡眠時間を削り、机にはりついて書くというイメージがある人は多いだろうが、「散歩しながら書く」「早朝に起きて書く」「グリーン車で書く」などやり方はさまざまなのだ。
水野氏が本書で明かしているのは、こうした執筆の方法だけではない。
プロが使っているライティングテクニックを惜しみなく公開しており、普段何気なくビジネス書を読んでいる人にとっては「ああ、こういうことだったのか!」という新たな気づきを与え、本を書きたいと思っている人からすると「これは使える」と喜びたくなるものばかりだ。
この『新「ビジネス書」のトリセツ』は、ビジネス書の読み手、書き手問わず、ビジネス書を一度でも手にとったことがある人にとって必読の一冊で、水野氏による独自のビジネス書論は「目から鱗」ばかり。
最初から最後まで役立つ知的メソッドが満載の一冊だ。
(新刊JP編集部)
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