最近、海外の人たちが日本の魅力に触れたり、日本について語ったりするテレビ番組が増えている。日本人の私たちにとって、外国人の指摘は新しくユニークで、ときに辛辣だと思わされることもある。
イケてるニッポン、イケてないニッポン。外国人から見たニッポンの本当の姿とは?
『治安はいいのにチカンが多いって、どういうこと?』(異文化コミュニケーション研究所/編、バジリコ/刊)は、日本の社会や風習、文化など83のテーマに対する外国人の反応を紹介する一冊。日本人として嬉しくなるコメントも出てくれば、「えっ、そういう風に思われていたのか」と意外に思うものもあるだろう。
今回は本書から3つのテーマを選び、外国人の反応をご紹介する。
○働き方 → 勤勉? 働きすぎ? 疑問の声多数。
残業は当たり前、必要とあれば休日出社もする日本人の働き方に対しては、疑問や批判の声が多くあがっている。「よく働くなぁ。私の国では夜働いている人なんてほとんどいないのに」(中央アジア・男性)、「家族をお祝いする日なのに、普通に働いているなんてありえない」(ヨーロッパ・女性)といったコメントはまだ柔らかい。「日本の会社員は仕事のためにしか生きていない感じで、ほかに何もしていない」という痛烈な意見も…。私たちはいったいなんのために働いているのだろうか?
○花火大会 → 日本の夏の風物詩は外国人からも大好評!
本書には日本のさまざまな文化や風物詩があるが、その中でも飛び抜けて「クール!」と絶賛を浴びているのが花火大会だ。「度肝を抜かれた。クールなんてもんじゃない!」(イギリス・男性)、「驚嘆に値するね。フランスでもこの花火が見れたら最高なのに!!!」(フランス・女性)、「女の子がみんなゆかたを着ているのがとても可愛い!民族衣装なのに町中で着ても違和感がないのはすごい」(スペイン・男性)など、おしなべて称賛の声が並ぶ。この夏、知り合いの外国人を誘って花火大会に行くと、喜んでくれるかも?
○ラブホテル → 旅行者からも好評価、独特な設備は賛否両論?
日本の「ラブホテル」の独特な外観も内装に驚く外国人は多いようだ。「色んな部屋があり過ぎだろ!どこまでマニアックなんだ(笑)」(アルゼンチン・男性)、「室内にメリーゴーランドがある!?一体どーなってるんだ!?」(マレーシア・女性)といった感想は日本人も実は同じではないだろうか。「普通にホテル泊まるよりもいいね!値段も安いし」(アメリカ・男性)というのはおそらく旅行者のコメントだろう。受付の人と話さなくてもお金を渡せば入れる簡単さもウケているのかもしれない。
日本という国は、私たち日本人が気付かないほどユニークであるようだ。また、興味深いのが、「あとがき」で日本人研究員がこんなことをつづっている部分だ。
さまざまなテーマでコメントを集めると、二言目には「日本はそれだけ治安がいいからね」という人が多かった。(p189より)
電車の中で寝ることができるのも、夜に出歩けるのも、自動販売機で飲み物が買えるのも、安全だからだ。普段の生活の中で忘れてしまった「当たり前」を気付かせてくれる一冊だ。
(新刊JP編集部)
外国人が「ありえない」と驚く日本人の働き方