個人旅行が盛んになり、インターネットも発達した今、海外のホテルを予約することはそんなに難しいことではありません。
ただし、趣味で行く「旅行」と、決められた日程で確実に成果を出さなければならない「出張」では、ホテルの選び方はまったく違います。
出張で滞在するホテルは、疲れを癒す家であるだけでなく、オフィスであり、商談の舞台でもあります。無用なトラブルを避けるのは当然として、立地や機能、グレードなど、チェックすべきポイントは旅行でのホテル選びよりもはるかに多く、どんなホテルに滞在するかで出張の成否が決まるという側面もあるのです。
『海外出張成功の鍵はホテルにあり!』(株式会社アップルワールド/著、ダイヤモンド社/刊)はそんな観点から、日本のビジネスパーソンにトラブルなく仕事に集中でき、さらに出張自体を成功に導くホテル選びの秘訣を教えてくれます。
■「ロケーション」が最優先
海外出張でのホテル選びで、一番に考えるべきことは「ロケーション」です。ただ、これは単に「街の中心部に近い」「主要な駅に近い」というだけではありません。
海外の交通事情というのは、日本人には計り知れないところがあります。特に初めて行く土地では、電車の運行状況や、渋滞事情などはわからないはずです。
だとしたら、「ホテルは最も重要な訪問先に一番近いところを選ぶ」、もしくは「もしタクシーがつかまらなくてもアポイントに間に合う場所を選ぶ」、といった出張のスケジュールに合わせた選び方が必要になります。
アポイントに遅刻すると、相手に対して心理的な負い目ができるため、交渉でなかなか強気に出られないものです。そういったリスクを避けるためにも、出張先でのホテル選びは「ロケーション」を第一に考えるべきなのです。
■知らないと失敗する「星の数」のワナ
ホテルを決める際の基準として「星の数」を見るという人は多いはずです。「5つ星ホテル」というだけで、何となく豪華で安心できるような気がしますよね。
ただ、ホテルの星の数は世界的な統一基準があるわけではないので、国やエリアによって差が出てしまうことは覚えておきましょう。
また、ホテルの格付けは、基本的に施設や設備などのハード面が基準であり、サービスなどのソフト面が考慮されることはあまりありません。つまり、「建物は古いもののホスピタリティがすばらしいホテル」よりも「サービスレベルは低くても新しいホテル」の方が高く評価される傾向があります。
知らない土地での仕事ということで、ホテルのスタッフの助けが必要となることは容易に想像できます。ガイドブック等に掲載されている星の数をうのみにしすぎず、クチコミなども参考に情報を得ながらホテル選びを進めましょう。
■海外では、お客様は「神様」ではない
そして最後に、どんなホテルを選ぶにしても覚えておかないといけないことがあります。
それは、海外では、日本では一般的な「お客様は神様」という価値観が通用しないことです。
日本では、その人が「ゲスト=神様」である限り、少々理不尽な要求をしてもたいていのことは許されてしまいます。もちろん、海外でもゲストは大事な存在ではあるのですが、「神様」ではなくあくまで同じ「人間」という考え方ですから、失礼な態度を取るゲストに対してはホテルのスタッフも厳しい態度で臨みます。
「俺は客だぞ!」という横柄な態度は論外として、チップの渡し方やクレームの伝え方など、海外ホテルのマナーを知らないばかりに、失礼なゲストと見なされてスタッフから冷たい扱いをされてしまったり、ホテルとトラブルになってしまったりすれば、肝心な仕事に支障が出ます。
くれぐれも日本人の常識を押し通すのではなく、海外のマナーやルールを心得ておきましょう。
本書は、日本における「個人旅行専門の海外ホテル予約会社」のパイオニアである「アップルワールド」が、同社に蓄積されたホテル選びのノウハウを全て明かした一冊。
出張先で余計なことに時間を割くことなく集中してミッションに取り組むためのポイントが満載なので、海外出張に行くことが多い方、その予定がある方は、学べるところが多いはずです。
(新刊JP編集部)
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