長い人生には、転機となる時期が何回かありますが、特にそれが訪れやすいのが40代~50代です。
子どもがいる人であれば進学費用がかさむようになってきますし、マイホームを買うかどうかという選択もあります。社会人としてどこまで出世できるかが見えてくる年代であり、親との死別や介護などといった問題に直面する時期でもあります。もちろん自分の老後のことも考え始めないといけません。
これらが一挙にのしかかってきて、重大な決断をすることが増えるのがこの年代なのです。そして、どんな決断をするにしても「お金」がかかるのは避けられません。
『どうする定年 50歳から巻き返し! まだ間に合うマネー対策』(日経ヴェリタス編集部/著、集英社/刊)は、これまで老後の備えについて真剣に考えてこなかった人、備えてはいるものの充分ではない人に向けて、資産運用や節税の知識を伝授してくれます。
■「マイホームか借家か」という永遠の議題
たとえば、「持ち家と賃貸、どっちがお得か?」という、答えのない議題があります。
結論を言えば、家賃を何十年間も払い続けるコストと、マイホームを購入してローンを払ったり、固定資産税を払ったりするコストはほとんど同じなのだそうです。
だとしたら、あとは自分の価値観次第。
「持ち家ならいずれは子どもに資産として残せる」「不動産を持っていれば値上がりも期待できる」、「賃貸ならローンを抱えないぶん身軽に生きられる」「子どもが増えたら広い家に住み替えられる」などなど、コスト以外の部分で、持ち家と賃貸のメリット・デメリットを比較して決めるしかありません。
■マイホーム、しかも家賃収入あり
しかし、近年では単純な「家賃or持ち家」といった二択に、ある種の変形も出てきています。
それが「賃貸併用の住宅を買う」というもの。
たとえば、都内で5000万円~6000万円程度で約150平米の土地を確保して、3500万円ほどの予算で単身者向けの部屋が3つある賃貸部分と、自分たちの居住スペースを持つ住宅を建てるとします。
この賃貸部分の3部屋を家賃8万円で貸し出せば、月に24万円の収入になりますから、変動金利で年0.6%台の低金利で35年の住宅ローンを借りれば、毎月の返済額は家賃収入で賄えてしまいます。
この方法を使えば、会社からの収入は子どもの教育費や老後の資金に回すことができます。
一方的に支払うだけの住宅ローン返済よりも、少しでも家賃収入を。
35年ローンを組んだとすると完済が80歳近くになってしまう、40歳~50歳くらいの層がマイホームを持つために、賃貸併用という方法は救いになるかもしれません。
本書では、これまで「将来のお金」についてあまり関心がなかった人や、関心はあるもののうまく行っていない人に向けて、40代、50代でもできる資産運用や年金の活用法など、専門家しか知らない貴重な知識がストーリー形式でわかりやすく解説されています。
ただでさえ出費のかさむ年代ですが、そんな中でどんな決断をするにしても、お金の問題で断念することがないように、できるだけ早いうちから備えておきたいもの。もちろん、充分な蓄えがないまま40代、50代に足を踏み入れている人も、まだまだ遅くはないので、本書の知識を活用して、巻き返しを狙いましょう。
(新刊JP編集部)
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