2012年7月にこの世に登場し、「コップのフチにちょこんと腰掛ける姿がカワイイ」と、累計販売数650万個を越える大ヒットとなったカプセルトイ「コップのフチ子」。コップのフチだけでなく、家庭、オフィス、お店などの至るところでフチ子さんを見かける。テレビでレギュラー番組も持っているほどだ。
青色をしたOLの制服に、磨きのかかった体の曲線、恥じらいにも憂いているようにも見える表情……清楚な雰囲気をまといながらも、アクロバティックなポーズでコップのフチに乗ったり、時にはギリギリなポーズを披露している。
でも、私たちがこの「コップのフチ子」について知っているのは「フチ子」という名前だけ。どこで生まれ、どのような仕事をして、何歳なのかは分からない。
「コップのフチ子」の公式マガジンである『コップのフチ子magazineマイナス』(タナカカツキ、奇譚クラブ/著、扶桑社/刊)では、製作者たちが「コップのフチ子」の裏側について明かしている。
■どうしてフチ子さんはOLの制服を着ているのか?
フチ子さんがOLの制服を着ているのは何か理由はあるのだろうか? その疑問について、製造元の奇憚クラブ主宰・古屋大貴さんは「原案者の(タナカ)カツキさんの頭の中から100%出てきてます」と答える。「セーラー服やナースだと濃すぎるというか、ちょっとエロい方向へ行ってしまう危険性があるし、逆に公務員だと硬すぎる」と言い、“すべてに当たり障りがない”というフチ子さんの特徴について絶賛している。
■原案者・タナカカツキはどう答えているのか?
古屋さんの話が正しければ、OLの制服を着ている理由は、原案者であるタナカカツキさんが知っているということになる。
本書ではそのタナカさんのインタビューも載っているので、そのページを開いてみると……「清楚な、フォーマルスーツを着たような人がアクロバティックな格好をしていたほうが演出的にいいかなと思って、『これはもうOLでいこう!』ということになった」と話しているではないか。お行儀の悪いポーズと、清楚でフォーマルな格好の女の子。そのギャップが私たちの心をくすぐっているのかもしれない。
■有名キャラクターに戦いを挑む
「コップのフチ子」のようなキャラクターは今までにいそうでいなかった。しかもさらにもう1つ大きな特徴がある。
古屋さんは、「コップのフチ子」は何もないところから発生した“ノンキャラクター”だとした上で「それが『ワンピース』や『ポケモン』などの有名キャラクターに対して勝つこと、僕がこの仕事をやっていてすごく楽しいのはそれ。快感です」と断言しているのだ。
これからも「コップのフチ子」による彼らの実験は続いていくはずだ。
『コップのフチ子magazineマイナス』は関係者へのインタビューのほか、グラビアカメラマンによる撮り下ろしグラビアや、マンガ家の田中圭一氏によるオリジナルフチ子さんマンガなど、遊び心いっぱいのコンテンツが満載。「こんな使い方ができるんだ」と参考になるかも? ちなみに本書は、2013年7月に発売された『コップのフチ子magazineプラス』の改装版のため、フィギュア「ハートのフチ子」はついていないので注意しよう。
(新刊JP編集部)
【関連記事】
・
「コップのフチ子」、大ヒットの理由とは?・
7月1日に「あけおめ」メールを送る理由とは?・
村上春樹イチオシのサブカル本・
最高の文房具を決める「文房具屋さん大賞」が決定!大人気「コップのフチ子」はどうしてOLの制服を着ているの?