6月4日に行われた韓国の統一地方選挙は、セウォル号沈没事故への対応を巡って激しい政府批判が起こっていたため与党の惨敗が予想されていたが、ふたを開けてみるとかなり善戦したと言える。
しかし、まだ安心とはいえないだろう。この事故の対応については、初動の遅れや情報の錯綜など、政府の不手際を責める声は根強く、いまだ風化を許さない。
この執拗さと苛烈さは、日本人が持ち合わせていないものだ。だとしたら、これらは一体どこからやってくるのか?
人気ブログ「シンシアリーのブログ」の運営者であるシンシアリーさんの著書、『韓国人による恥韓論』(扶桑社/刊)をひもとくと、それがわかってくる。
■序列をつけずにはいられない韓国人たち
シンシアリーさんは、韓国で暮らす韓国人。しかし、韓国人と聞いてイメージしがちな「反日思想に燃える韓国人」ではなく、韓国人だからこそ自国の“病”を「内部告発」し、問題提起するという立場をとっている。
同氏は、韓国が抱える“病”の根本として、「あまりにも強烈な序列意識」を挙げる。小学生たちは着ている洋服の値段で「階級」をつけて遊び、親たちは「我が子が負け犬になったら大変」とばかりに教育に励む。とにかく自分と他者のどちらが優れているか(自分がいかに優れているか)を決めなければ気が済まないのだ。
当然、この序列意識は歪んだ競争を生み、結果生まれるのは「一握りの勝者」と「圧倒的多数の敗者」だ。そして、韓国は国民意識調査で80%以上の人が「社会において最大の力はお金」と答える「金銭第一主義」の社会である。
高い序列意識とこの価値観が組み合わさり、ごく一部の大手企業に入社するための競争を勝ち抜くことができなかった人々は、人生を全否定されたにも等しい敗北感を味わうことになる。
彼ら「負け組」を待っているのは「勝ち組」にひれ伏すような低賃金労働であり、到底納得いくはずのない、序列の「下」にいる人生だ。高学歴でも高い若年失業率、凄まじいまでの老人の自殺率などといった思わず目を疑ってしまうデータが、希望のない社会状況を如実に表している。当然、政府や大企業への不満は溜まり、「勝ち組」の不手際には敏感になる。
長年その“ガス抜き”としての役割を果たしてきたのが「反日」だったわけだが、セウォル号事故について言えば、うっ積した国民の不満がストレートに政府に向かったと言えるだろう。
シンシアリーさんは本書の中で、韓国人の思考と行動の背景にある歪んだ価値観を示しつつ、韓国が抱える “病”や恥ずべき矛盾を痛烈に批判する。
本書の内容は、韓国で国賊扱いされ、社会的に抹殺されてもおかしくない、かなりきわどい言葉が並ぶ「内部告発」であり、その勇気には敬意を禁じえない。私たちが今後この隣人とどう向き合うかを考える大きなヒントとなってくれる一冊である。
(新刊JP編集部)
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