「病は気から」という言葉があるように、「感情」と「健康」は切っても切れません。
幸福感や喜びといったプラスの感情は体調面にいい影響を与えますが、もしあなたが不安や怒りといったマイナスの感情を持つことが多いなら、知らず知らずのうちに身体が蝕まれているかも…。
『「怒らない体」のつくり方――自律神経を整えるイライラ解消プログラム』(祥伝社/刊)の著者で、自律神経研究の第一人者、順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんは、マイナスの感情のなかでも、特に「怒り」を「万病の元」だとして、その健康への悪影響を明かしています。「怒り」の危険性と対処法を医学的に初めて明かしたその内容を、ここで少しご紹介しましょう。
■血流が悪化して、血はドロドロに……怒るとこんなに体に悪い
小林さんによると、怒りが健康を阻害する理由は、自律神経が乱れて、交感神経が活発になること。これによって心拍数や血圧が上がり、血管が収縮するため、血流が悪化して全身の細胞に栄養が行きわたらなくなってしまいます。
また、怒りは交感神経からのアドレナリンの分泌を増やすことも大事なポイントです。このアドレナリンには血小板の働きを活発にして、血液を固める作用があるため、怒りによって血がドロドロになるという事態につながります。
「血流が悪くなり、血液がドロドロになる」
しかも一度乱れた自立神経は3時間も乱れたままになるというデータもあるといいます。これでは健康でいられるわけがありません。
■「怒り」を遠ざけるには?
では、生活の中で感じる「怒り」や「苛立ち」にどう対処したらいいのでしょうか。
もちろん「怒り」をまったく感じずに生活することは至難の業。といって、「怒り」をなかったものにしようとするのも自律神経から見れば逆効果。しかし、「怒りを遠ざける方法」ならあります。
本書によるとその秘訣は
・水を飲む
・部屋を片付ける
・口角を上げる
・背筋を伸ばす
・ゆっくり歩く
・「ため息」をつく
など。
ささいなことですぐイライラしてしまう人は心得ておきたいところですね。
「怒り」が健康にもたらす害悪は、私たちが考えているよりもずっと大きいものです。
イライラ、ムカムカ、カリカリ……毎日何回もこんな気持ちになるという人は、身体が悲鳴を上げる前に、この本を読んで対策を立てましょう。
(新刊JP編集部)
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