まだまだ景気が本格的に回復したとは実感できない日本ですが、それでも個人事務所を含めて400万社を超える数の企業が活動していて、そのほとんどは中小企業です。
そうなると、親せきに経営者がいる、あるいは飲み屋さんで知り合ったおじさんが実は経営者だったというのは決して珍しくないわけですが、彼らの人柄や、会社が「儲かっているのかどうか」というのは、下世話だと思いつつ気になってしまうものです。
『「儲かる社長」と「ダメ社長」の習慣』(上野光夫/著、明日香出版社/刊)によると、「儲かる社長」と「ダメ社長」には行動や考え方、計画性などあらゆる面に違いがあるそう。
今回はその違いについていくつかピックアップします。あなたの知り合いの経営者はどちらでしょうか。
■ダメ社長の口癖は「貢献」
「拝金主義」というと悪いイメージがあるからか、「儲かる」という言葉に抵抗がある人は少なくありません。これは経営者も同じで、「拝金主義でイヤな会社」だと思われたくないあまり、従業員や外部の人に「地域に貢献したい」「社会貢献を目指す」など、やたらと「貢献」という言葉を使いたがる人がいますが、これは「ダメ社長」にありがちな特徴なのだそう。
「儲ける」ことは悪いことではありませんし、儲けないことには事業を存続できません。これをわかっているのが「儲かる社長」で、利益を出すための視点や行動を従業員に徹底させる意味もあって「儲かる」という言葉を多用するのです。
■ワンマン経営を好むのは「ダメ社長」か「儲かる社長」か
「ワンマン経営」もまた、あまりいいイメージで語られません。
しかし、中小企業や、創業間もない企業の武器はなんといっても「小回りの良さ」と「スピード」です。速やかに意思決定して事業を推し進めたり、壁に当たったときに素早く軌道修正するには、合議的に経営するよりもワンマン経営の方が適しているのです。
だからこそ「儲かる社長」はワンマン経営を好む人が多いのですが、彼らはただ独裁的に経営するだけでなく、従業員の声を聞く耳も持っています。
「従業員の不満を溜めないために意見は聞くが、経営はワンマンで」
これが、「儲かる社長」のワンマン経営の秘訣だといえます。
■「儲かる社長」は○○を決める
自分の会社を成功させるために、経営者たちは日々様々なことを考えます。特に今後の事業計画については、どんな経営者でも知恵をふりしぼって考えるわけですが、この時「まずやることを決める」というやり方をするのが「ダメ社長」。これでは「あれもやりたい」「これもやりたい」というアイデアが出すぎてしまい、結果として企業としての軸がブレてしまいます。こうなってしまうと、外から見て何が強みの会社かわからなくなってしまいます。
反対に、まず「やらないこと」を先に決めるのが「儲かる社長」です。これは一見、目の前にやってきたチャンスを逃しやすいやり方のように思えますが、事業の柱が明確になり、外から何をやっている会社かわかりやすくなるメリットがあります。
たとえば「広告デザインに関係する仕事以外はやらない」とすることで、「あの会社は広告デザインには滅法強い」と認識してもらえるのです。
「儲かる社長」と「ダメ社長」。
本書には両者のちがいがこれでもかという程、あらゆる角度・テーマで明かされています。
知り合いに経営者がいる人も、自分の会社の経営者に疑問を感じている人も、そして自分が経営者だという人も、手にとってみるとそれぞれに違った気づきや学びがあるはずです。
(新刊JP編集部)
関連記事
・
ダメ上司の話し方3つの特徴・
部下を潰す上司に3つの特徴・
官僚に学ぶ、理不尽上司への対処法・
「天上天下唯我独尊」の本当の意味一目瞭然「儲かる社長」と「ダメ社長」の違い