今の堀江貴文氏を一言で形容できる言葉はなかなか見つからない。
2004年から2005年にかけて、株式会社ライブドアの社長として、大阪近鉄バファローズの買収やニッポン放送の買収、衆議院選挙への立候補などで世間から注目を浴び、一躍“時代の寵児”となった。
しかし、2006年1月に証券取引法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕・起訴され、2011年4月26日に懲役2年6か月の実刑判決が確定。同年6月20日には東京拘置所に収監され、その後長野刑務所に移送。2013年3月27日に仮釈放となった。
そして、自由の身になった堀江氏は、再び“ゼロ”から人生をスタートさせた。
2013年11月1日に出版された堀江氏の新刊『ゼロ』(ダイヤモンド社/刊)は、そんな今の堀江氏の心境と働くことに対するポジティブなメッセージがつづられている話題の一冊だが、この堀江氏の“ゼロ”になることを怖れない姿勢は、実は以前の著作でも述べている。
それが、2009年11月、まだ収監される前に出版された『夢をかなえる「打ち出の小槌」』(青志社/刊)で、「ゼロになることを怖がらず、挑戦しよう」と読者に訴えているのだ。いわば『ゼロ』の原点ともいえる一冊ではないだろうか。
若い人でも、将来への不安から貯金に走る人は多い。しかし、『夢をかなえる「打ち出の小槌」』の中で、堀江氏はどうして貯金をするのか、と疑問を投げかける。「お金を貯めることが楽しい」という人はそれでよい。しかし、不安だから貯金をしている人はそもそもなぜ将来に不安を抱くのか。「将来が不安でたまらない」と考えることにどんなメリットがあるのだろうか。
堀江氏は「不安というのは、考えた時点で負けだと思っている」と同書でつづっている。不安から冷静に判断できなくなってしまった人の多くは、生活を犠牲にして、やりたいこともやらずにコツコツと将来に備えをしてしまう。そうした不安に付け込んで必要以上に保険をかけたり、蓄えにまわすことを勧めてくる人もいる。
でも、貯金がいくらあっても不安は完全にはぬぐえない。そういった不安から抜け出すためには、自分を忙しくするしかない。
若いうちだからこそ、失敗してゼロになってもやり直せるものだ。もし、お金がなくなってしまったら、誰かに助けてもらえばいい。自分が信用されていればお金を借りることができるはずだ。もしできないなら、家族、親戚、友人、誰からも信用されていないということになるのではないだろうか。そんな風に堀江氏は『夢をかなえる「打ち出の小槌」』で訴えているのだ。
出版元の青志社によれば、『夢をかなえる「打ち出の小槌」』は『ゼロ』のヒットによって、再度注目を集めているそうだ。
堀江氏が誤解を怖れずに本音を明かした『夢をかなえる「打ち出の小槌」』。すでに『ゼロ』を手にしている人は、ぜひ本書も手にとって読み比べてみてほしい。もしかしたら、『夢をかなえる「打ち出の小槌」』の方が、より堀江氏の本音を感じるかもしれない。
(新刊JP編集部)
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