欧米人が日本人を評した声として「日本人は自分の意見がない」というのが昔からよく言われます。
もちろん、全ての日本人にあてはまるわけではありませんが、それでも「意見を求められるのが苦手」「自分の意見を持てない」という人は、まだまだ多くいます。
それもそのはず、日本の教育は「正解を見つけること」に重きがあり、正解のないことについて考え、自分の意見を持つプロセスについては、私たちはほとんど教わらずに来ているからです。
それゆえに、日本では「自分の意見」を述べられるだけで「頭がいい」と評価されたりするわけですが、実はこのプロセスさえ分かっていれば、頭の良し悪しは関係ありません。
「自分の意見」には、ちゃんと「作り方」があるのです。
■「理解していること」を明らかにする
『世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」の授業』(狩野みき/著、日本実業出版社/刊)によると、「自分の意見」を作るプロセスは3つあるといいます。
自分が「理解していること」を明らかにするのは、その最初のステップです。
たとえば、ある事柄について意見を言わなくてはならない時、いきなり「自分の意見」を考えるのではなく、まずはそれについて「理解していること」は何かを確認します。
自分の知っている情報を整理することなく発言しても、それは「意見」ではなく、単なる「印象」です。自信を持って発言するためにも、はじめに今の時点で自分が持っている知識や情報を把握しておきましょう。
■「理解していないこと」を調べる
「理解していること」が把握できれば、「理解していないこと」もわかるはずです。
次のステップでは、そうして明らかになった「理解していないこと」を調べていきます。これによって、「自分の意見」が求められているものごとへの理解が深まります。
■「自分の意見」を持つ
上記の2つのステップを経て、ようやく「自分の意見」に至ります。
もちろん、手にした情報から得た心証をそのまま「自分の意見」にしては、説得力のある意見になりません。
「自分の意見」に説得力を持たせるためには、人に説明できる根拠が必要。しかし、日本人は意見を根拠付けて話すことに慣れていないため、はじめは難しいかもしれません。
根拠付けの練習としては、毎日の生活の中で何かを選択するたびに、「なぜそれにしたのか」を考えてみることが有効です。
「なぜ今日はこの服を着るのか」「なぜアイスコーヒーを頼んだのか」など、生活のあらゆる場面で、自分の選択の根拠を自問してみましょう。「なんとなく…」という根拠でなければどんなものでもOKなので、軽い気持ちで始めてみましょう。
こうして文章にしてみると当たり前のことのように思えるかもしれませんが、自分の意見を言えない理由は「その物事を理解していないこと」「根拠を示せないこと」に集約されます。そして、それはそのままグローバル社会で生きるにあたっての弱点になりかねないのです。
本書には、正解のないことに対しても深く考え抜き、自分の意見としてアウトプットするための方法が、欧米で行われている教育をヒントに紹介されています。自己主張が苦手な人や、交渉事が嫌いという人は、自分を変えるきっかけとして、参考にしてみてください。
(新刊JP編集部)
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