8月4日の日産スタジアムワンマンコンサートを大盛況のうちに終えた、人気アイドルグループ・ももいろクローバーZ。さらにワンマンの他にも、サマーソニックに参戦、また今度はアニメロサマーライブ、氣志團万博など各フェスへの参加を予定しているなど、その勢いは止まるところを知らない。
そんな彼女たちがパーソナリティを務めるのが、ニッポン放送で日曜日午後10時から放送されているラジオ番組「ももクロくらぶxoxo」だ。メンバーたちの素がうかがえるということで人気の番組だが、7月25日に、ラジオ番組初の公式ブックとなる『ももいろクローバーZ ももクロくらぶxoxo 公式ブック「うーぶろん・ら・ぽるとー! 」』(扶桑社/刊)が出版された。
この公式ブックでは、ももクロがオリジナル衣装でめぐる「ニッポン放送たんけんツアー」やメンバーが大喜利に挑戦する「ハガキ職人への道」などの企画のほか、ラジオ収録の裏側や、公開録音イベントのレポートなど、メンバーのたくさんの写真とともに番組の軌跡を振り返ることができる内容となっている。また、付録CDにはラジオスタッフ自ら“8割方、放送事故”と評する、メンバーだけで作ったラジオ番組なども収録。ももいろクローバーZの魅力が詰まった豪華な一冊となっている。
今回は「ももクロくらぶxoxo」をメンバーと一緒につくり上げているプロデューサーの松岡敦司さんとディレクターの杉山直さんに、ラジオ番組、そして公式ブックについてのインタビューを敢行。ももいろクローバーZの魅力について語ってもらった。
前半部分では主に「ももクロくらぶxoxo」というラジオ番組について話を聞いていく。
(新刊JP編集部)
■ももクロにはその場の空気を一瞬で変える魅力がある
―ついにラジオ公式ブックが発売されましたが、反響はいかがですか?
杉山「おかげさまで大勢のみなさんにご予約いただきました。みなさんのお手先に届いたばかりだと思うので(このインタビューは発売翌日に行われた)まだ感想は聞いていませんが…」
松岡「あ、でもインターネットでは少し見かけましたね。付録CDにメンバーだけでつくったラジオを収録したんですが、8割が放送事故だろって。まあ、確かに8割、放送事故ですね(笑)だからこそ面白いんですよ」
―確かに私も8割、放送事故だと思いました(笑)付録CDのお話は後半で詳しくお話いただくとして、今回の公式ブックではどんなももいろクローバーZを打ち出そうと思ったのでしょうか。
杉山「彼女たちには年齢相応の女の子の側面と、天才という側面の両方があって、天才だと思わされることの方が多いんだけれど、正直なところ、いつ、その天才性が発揮されるのか、まだつかみきれていないんです。だから、この公式ブックでは、そういったスタッフ側が見ている彼女たちが出せればいいのかなと思っていましたね。メンバーだけでつくった放送事故のようなラジオ番組も、実際にああなっちゃったから出すしかないんですよ(笑)あれもね、ちゃんと編集すれば」
松岡「事故にはならないですよね」
杉山「そうなんですよ、事故にはならないんです。CDでは30分まるまる収録されていますけれど、5分に縮められます」
松岡「でも、編集はしないんです(笑)あれが、彼女たちの面白さですから。
僕自身は、本は魅せるものですから、写真を多めにして、ふだん見えない彼女たちを見てもらおうと思いましたね」
杉山「活字だけでは伝わらないこと、音だけでは伝わらないこともありますし、写真というのは効果的ですよね」
―この「ももクロくらぶxoxo」という番組を担当することになったとき、どんな番組にしようとお考えだったのですか?
松岡「この番組を担当する2年ほど前に、他の番組にゲストで来ていただいたことがあったんです。そのときに、ちょうど『Chai Maxx』っていう曲ができたばかりで、生放送が終わったあとに、スタジオの中でいきなり踊り始めたんですよ」
―いきなり踊り始めた。
松岡「そうなんです。できたばかりなので聴いてみてください、と。それでCDをかけたら、スタジオの隅っこの2畳あるかないかくらいのところで踊り始めて…。とんでもない破壊力ですよ。衝撃です。パワーを感じましたね。
そこで初めて、この子たちで番組作りたいと思ったのですが、彼女たちのすごいところって、いたずら心で『やっちゃう?』『やっちゃえ!』って本当にやっちゃって、その場の空気を全部変えるんです。そういう魅力を出したいと思っていましたね」
―杉山さんはディレクターとして、どのような番組作りをしたいと考えていましたか?
杉山「メンバーが5人いるので、どうしようというのが正直なところでしたね(笑)普通、5人グループになると、良い意味でメンバーそれぞれ個性が出てくるんですが、その個性がバランス取れているグループとそうでないグループに分かれるんですよ。だから、そのあたりから、ももいろクローバーZというグループを勉強しないといけないと思っていました。
それで、実はももクロってあまりバランスが取れていないグループだと思うんです。もちろん、押す人引く人ちゃんといるんですけど、基本的には、バランスが良いわけではないんですね。ただ、なぜか着地するとバランスが取れているんです。5人でもそうだし、バラバラでもそう。だから、いつもの放送ではメンバーのうちから2人、3人ピックアップされて収録するんですが、どんな組み合わせがきても大丈夫なんですよ」
―ラジオを聴いていると、どのメンバーの組み合わせでも、ユニークで面白くなりますよね。7月前半の放送では、百田さんと高城さんの組み合わせが続いていましたが…。
松岡「『チームおバカ』ですね。年長の2人なのに(笑)でも、そういう最強のキャッチフレーズがすぐに思い浮かべてしまうわけで、どんな組み合わせでも、面白くなってしまう強みがありますね」
―お二人の中で特に印象に残っている放送回を教えていただけますか?
松岡「『ももクロくらぶxoxo』で印象に残っているのは、今年の4月にやった1時間番組ですね。普段は30分なんですが、そのときは『大盛り版』って名付けて…でも、大盛りって言葉、本当にももクロにピッタリですよね。
それで、どうして印象に残っているかといいますと、この日はいつもとは全く違う番組にしたいと思っていて、5人での出演にせず、1人ずつ持ち時間を与えて、『ももいろクローバーZと私』というテーマで自分と向き合ってもらったんです。そうしたら本当に、自分がももクロをどう考えているのか、どうしていきたいのか、ちゃんと自分の考えを自分の言葉で話し始めたんです。いつもはスタジオ内でわちゃわちゃしているだけなので、すごく新鮮でしたね。
それをやりたいと思ったきっかけが、去年、NHK紅白歌合戦初出場が決まったときに、オールナイトニッポンでメンバー一人ひとりにファンへ御礼を言ってもらったことです」
―その時の放送は、この公式ブックの付録CDにも収録されていますね。
松岡「そうですね。本当にたまたま記者会見の後に収録があって、その日の夜に放送したんですけど、あのときに初めて僕、彼女たちを追い詰めたんですよ。今がファンの皆さんに御礼を言う一番のタイミングだから、ちゃんと自分の言葉で話せ、と。
最初は『しゃべれない!』って言っていましたが、マイクを向けたらちゃんとしゃべる子たちがいたので、その時に、いつもわちゃわちゃ話している雰囲気とは逆の、すごく真面目な放送ができたら面白いなと思ったことを覚えています。
あと、実はマネージャーの川上さんから教えてもらった、『玉井(詩織)にこれをしゃべらせたら面白くなる』というとっておきのネタがあるので、それはまた後日、このラジオの中でやりたいですね(笑)」
―杉山さんは印象に残っている放送ってありますか?
杉山「どれも印象的なんですが、この本でも掲載している学校訪問だったり、ラジオパーク公開録音だったりというのは、盛り上がることは分かっているんだけど、彼女たちが機転を利かしてどんどんやっちゃうから、想像以上の盛り上がりになる。その凄さは印象的です。
そういったイベント事を抜いて考えると、一番印象的なのは『れにぼっちスペシャル』ですね」
松岡「やったねえ! れにぼっちスペシャル」
杉山「去年の6月だったと思うんですけど、そのとき夜10時以降に収録可能なのが(高城)れにだけだったんですよ。忙しい中、れにだけが唯一夜10時以降スケジュール取れるということで、じゃあ、れに一人でやろう、と」
松岡「かなり斬新ですよね。一人でやるって」
杉山「あのときのれにの、『私ひとりでどうするの!?』っていう反応はすぐに思い出せますよ(笑)すごく不安がっていたんですけど、いざ、マイク前でしゃべらすと『話が長いよ、お前!』って感じで(笑)」
松岡「編集に時間がかかりましたよね(笑)」
(後編では、メンバー個々の才能をラジオスタッフが語る!)
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