もはや国民的娯楽となったカラオケ。しかし、「カラオケ行こう!」と誘ってみても、眉間に皺を寄せる人が少なからずいる。その理由を聞いてみると、大半の回答は「自分は音痴だから、カラオケに行っても歌えない」というもの。私も下手なので気持ちはよく分かる。
普通に歌える人たちは「音痴なんか気にしないで、みんなで騒げばいいのになぁ」と首を傾げるが、そりゃ、歌の下手な私たちが引き立て役になっているのだから気持ちいいだろう。しかし、サビの高音が全く出ずに「大丈夫?」「頑張れ!」などと声をかけられれば、「勘弁してくれ」と思うし、まわりまわって好きな異性に歌が下手だということが伝われば、相手がどう思っていようともこちらは赤っ恥である。なんとかしたいと思っている人も多いはずだ。
ボイストレーナーとして活躍しているIPC VOICE STUDIO代表のAKIRA氏は、歌を上手く聴かせるためにはコツがあり、短時間でも確実に歌唱力を伸ばすことができるという。
その方法には、いくつか段階があるのだが、ここでは初級をご紹介しよう。
例えば高い声になると、のどが苦しくなる人がいるが、これは一体どうしてなのだろうか。AKIRA氏は「効率良くのどの筋肉を使えていないからです」と答える。
通常、声帯は速く振動すればするほど高い音が出る。だからより高い声を出すためには、声帯の振動を速める必要があるのだが、それには2つの動作が必要だ。
・声帯をピンと伸ばして張る動作
・引き伸ばした状態で左右の声帯を合わせる閉鎖の動作
声帯は左右2枚のヒダで出来ている。そして左右のヒダの間が空いていると呼吸になり、閉じているときに震わせると声になるわけだが、閉じてなおかつ声帯を張るとなると、それなりの力が必要になる。つまり、高い声を出すということは、声帯の筋肉により力が入っている状態というわけである。そして、その筋肉の使い方に慣れていないと、のどがすぐに苦しくなったり、疲れやすくなってしまうのだ。
できる限り効率良く声帯周りの力を使えるようになれば、高い声は楽に出せるとAKIRA氏はアドバイスする。
また、歌の上達には腹式呼吸も欠かせない。腹式呼吸と胸式呼吸の違いは、リラックスしながら呼吸を行えるかどうかにある、とボイストレーナーの詩菜(うたな)氏。人前で歌うというのは緊張がつきものだが、ストレスから筋肉がこわばってしまい、首周りの筋肉も固くなってしまう。こうなると、いくらビブラートやメリスマ(こぶし)を練習でマスターできていても、本番で失敗してしまうということもあるそうだ。腹式呼吸はそうした筋肉の緊張を抑える効果があるのだ。
AKIRA氏と詩菜氏が執筆した『カラオケで68点が92点にアップした!プロも使う♪秘密の歌唱テクニック17』(つた書房/刊)は、AKIRA氏が確立した新メソッド「VoiceerF Method」を元に、歌唱力をアップするためのボイトレ法を解説する一冊。付録CDを合わせて使えば、歌が下手な人にとっての即戦力になってくるはずだ。
ここで一つ、トレーニング法をご紹介しよう。
「リップロール」は、息の圧力で唇を“ブルブル”と震わせるトレーニング。その振動で口の中や首の内部が刺激され、発声に使う筋肉をほぐしてくれるという。
両手を使って頬を下から上に向かって軽くリフトアップするように持ち上げよう。力の入れ過ぎは厳禁だ。その上で唇を“ブルブル”させるのだ。大敵の緊張から筋肉を救ってあげよう。
ちなみに、本書は『ジャイアンだって歌がうまくなる!音痴も直る♪奇跡のボイストレーニング』(AKIRA/著、つた書房/刊)の続編にあたり、こちらでは「そもそもなぜ音痴になってしまうのか」といったところから、リズム感や発声方法まで基礎を網羅している。歌に関する自分の悩みが解けるだろう一冊だ。
とはいえ、やはり一回実践しただけでは、多少の改善は見られても、すぐにまた元に戻ってしまうだろう。継続は力なり。地道でも続けていけば良い結果は訪れるはず。好きな曲をカラオケで気持ちよく歌い、高得点を叩きだしたければ、実践してみてはどうだろうか。
(新刊JP編集部)
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