女性と男性が対等に仕事をしたり、女性が男性より先に昇進したり、ということはもう珍しいことではありません。
ただ、まだまだ日本は男性優位の組織は多く、女性が能力だけを武器に男性と張り合っても職場で受け入れられなかったり、孤立してしまう可能性も。
では、女性が男性を含めた同僚に応援されながら、いきいきと仕事をするためにはどんなことが大事になるのでしょうか。
今回は『なぜか好かれる「ココロ美人」になる5つの幸せオーラ』(学研パブリッシング/刊)の著者、林志英さんにお話を伺ってみました。その後編をお届けします。
―林さんは日本で会社員として働きながら、ネット通販という形で「フォーマル子供服専門店KAJIN」を立ち上げ、成功を収めています。林さんが起業しようと思った理由は何だったのでしょうか。
林「起業というのはいつかやりたいこととして昔からあったんです。ですから、会社に勤めていた13年間は、起業してどんなことをしようか試行錯誤しながら考える期間でもありました。
実際に起業したのは2001年なのですが、当時子どもが0歳と5歳でしたし、私自身もまだ会社で働いていましたので、ほとんど身動きできない状況だったんです。
ただ、当時ネット黎明期で、インターネットを使ったビジネスにはすごく可能性を感じていました。それもあって今の状況で起業するならネット通販しかないと思ったんです。
とはいえネット通販の知識などまったくありませんでしたし、時間もお金もない。仕事を終えて帰ってきた後に子どもを寝かせた後、深夜にパソコンに向かって、それこそ睡眠時間を削ってやっていましたね」
―まさにゼロからのスタートだったんですね。
林「ホームページを作るスキルもないので、最初は夫に頼んで作ってもらいました。
あとは人脈もなかったですね。会社員として勤めていたのは、アパレルとは全く関係のない物流会社だったので、アパレルの知識は全くありませんでしたし、商品をどこから仕入れていいのかもわかりませんでした。だから全てパソコンで、取引先を一社ずつ開拓していきました」
―ネット通販とはいえ、仕入れも発送も自分でやるわけですよね。会社員をやりながらできるものなのですか?
林「発送はマンションの宅配ボックスを利用していましたね。出勤前にそこに預けておけば、宅配業者さんが来た時に暗証番号を入れて取り出して、配送してくれていました。もう起業から10年以上経っていますけど、先日当時の宅配業者さんとお話する機会があって、懐かしがっていましたね。そんなことをやりつつ、少しずつ事業を大きくしていきました」
―「子ども服」という着眼点はどこから生まれたのでしょうか。
林「たとえば、ピアノの発表会のような晴れ舞台で子どもが着る衣装やドレスが日本にはない、というのが母親としての自分の悩みだったんです。私自身も子どもの頃にそういう華やかな衣装を着たことがなかったこともあって、今の子どもに小さい頃から華やかな思い出を残してほしいと思ったんです。
ニッチな分野で、大企業は見向きもしないような小さなマーケットですけど、そこを開拓しながら10年間やってきました。今はお客様から感謝のメールが届いたりして、すごくやりがいを感じています」
―子どもの晴れ舞台ということですと、日本では七五三がありますね。
林「そうですね。日本ではまだそういった場では着物を着ることが多いんですけど、七五三などだと家族写真を撮るじゃないですか。その時、もし兄弟がいるならその分の衣装も必要なわけで、そういうニーズもあります。
あとは、“おめでた婚”のカップルが式を挙げる時に、赤ちゃんが着る衣装もありますよ」
―赤ちゃん用の晴れ着もあるというのは驚きです。
林「3カ月からあります(笑) 赤ちゃんのお父さんお母さんが抱っこして一緒に結婚式をやることがありますからね。男の子ならタキシードで新郎さんとお揃いにしたりということもあります」
―本書をどのような人に読んでほしいとお考えですか?
林「一番は20代から40代の女性の方です。少しでも自分を変えたい、もっと前向きな発想になりたいという女性、モヤモヤしたものを抱えている女性に、私の経験が少しでも参考にしていただけたら、こんなにうれしいことはありません。
特に「思考美人」と「行動美人」の章が好評なので、読んだ方に“この人ができるなら私もやってみよう”と思っていただけたらいいなと思っています。
でも、実はこの本は男性にもたくさん読まれているんです。先日、60代の男性が読んで、褒めていただきましたし、朝礼でこの本の内容を一項目ずつ実施することになった会社さんもあります。読みやすく、自分の好きなところから読めるように書いているので、男女年齢問わず読んでいただきたいですね」
―最後になりますが、働く女性の方々にメッセージをお願いいたします。
林「この本は、新聞などで女性の教科書として評価していただいていますので、ぜひご自身の歩みたい人生を歩むために、またこれからの人生をどう生きるかを考えるために使っていただければと思います。
私が日本に来て25年間、ゼロから学んできたことを皆さんに知っていただいて、少しでもプラスの参考になれば幸いです。
女性であることを忘れず、目標を持ってキラキラしながら毎日を過ごせたら、必ず周りの人に応援される女性になれると思います」
(取材・記事/山田洋介)
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