毎日の献立や台所回りの管理など、主婦にキッチン関係の悩みはつきもの。
こんな悩みを専門家はどう考えているのでしょうか。
今回は『タニアのドイツ式台所管理術』(集英社/刊)の著者で料理研究家の門倉多仁亜さん(以下、敬称略)に、台所仕事の基本と心構えについてお話を伺ってきました。今回はその前編をお送りします。
―本書では料理をはじめとした台所仕事が取り上げられています。まず、タニアさんが以前に暮らしたことのあるアメリカやドイツと日本では、台所仕事においてどのような違いがあるとお考えですか?
タニア「ドイツやアメリカと日本では、場所としての考え方が違います。ドイツとアメリカではキッチンがパブリックスペースで、その家の主婦はもちろん、夫も子供も、家に遊びにくる友人など、だれでも入れる場所になっています。でも、日本ではまだキッチンはどちらかといえば主婦の城。みんなが入る部屋というより、他の人から隠す部屋のような気がします」
―タニアさんが台所仕事をするうえで最も大切にされていることはなんですか?
タニア「なるべくものをキッチンカウンターの上に出さずに、すっきりさせること。そう
すれば掃除もラクですし、きれいなキッチンだと、料理をする意欲もわいてきます」
―本書では、料理だけでなく機能的なキッチンの作り方や維持の方法など台所仕事にまつわるあらゆることが解説されています。このような本を書くことになったきっかけは何だったのでしょうか。
タニア「日本の女性は、料理に関してみんな頑張りすぎているような気がしていました。毎日違うおいしい料理を作らなければならない、というプレッシャーがありすぎるのではないでしょうか。食べることはもちろん大事ですが、普段の日とハレの日は、分けて考える必要があるのではないかといつも感じていました。この本が「台所仕事において、本当に大事なことは何か」を考えるきっかけになってくれれば、と思っています」
―賃貸マンションなど、キッチンのデザイン自体を変えることのできない家屋でも、使いやすく、機能的なキッチンにしていくための秘訣がありましたら教えていただけますか?
タニア「皆さん、キッチンに対する思いは違いますし、使い方も違います。なので自分で使ってみて不便に思うところがあれば、まず"なぜだろう"と自分に問いかけ、解決策を探る。その繰り返しではないでしょうか? 「自分のキッチン」は、そのようにしてできていくのだと思います」
―これから、生ごみなど台所まわりの臭いが気になる季節になります。嫌な臭いをおさえるためにタニアさんはどんなことをされていますか?
タニア「生ゴミを新聞紙にくるんで捨てれば、水気を吸い取ってくれて、臭いが出にくいです。でもそれよりも、こまめに捨てることがやっぱり大切。ただ、どうしても捨てられないときもあるので、そのときは生ごみに重曹をふっておきます」
(後編につづく)
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