大きな成果を残すことができるビジネスマンの多くは、新人の時代から注目を集め、その期待相応の結果を残してきているものです。
では、スタートダッシュを決めるために、新人時代にどのような働き方をすればいいのでしょうか。
『伝説の新人』(小宮謙一、紫垣樹郎/著、集英社/刊)から4回にわたってご紹介する"成長する新人社員の特徴"。3回目となる今回は、チャンスがもらえる新人になるために身につけるべき「解釈力」と「好かれる力」をご紹介します。
■物事をポジティブに解釈しよう
日本は失敗を許さない社会といわれます。そのため、つい無難な道を歩きたくなりますが、大きな成功を手に入れるためには、ある程度失敗は覚悟しておかなければなりません。
例えば「それは99%無理だね、落ち着いて考えなおせ」と周囲から言われたら、「そんなに言うなら...」と実行しないまま終わる人が大半でしょう。しかし、大きな結果を残す人は、「1%もいけるのか」「自分の本気度を試しているに違いない」とポジティブに解釈します。そして挑戦してしまうのです。
数々の画期的な発明をしてきたトーマス・エジソンは、電球を発明するために2万回もの失敗を経験しました。しかし彼は、自分は失敗などしていないと言います。彼は「成功しない方法を数多く発見し続けてきただけ」と解釈していたのです。
失敗をポジティブに解釈する力は、とても重要です。もし困難な状況に陥ったときも、それが明日につながるという意味付けができれば、どんなことでも学びに生まれ変わるものです。
また、解釈力は物事を多角的に見る上でも大きな役割を果たします。
こんな話があります。3人の石積み職人に、「あなたの仕事は何か」と聞いてみると、こんな風に返ってきました。
A「見ればわかるだろう。石を積んでいるんだよ」
B「私は教会を造っているんだよ」
C「私は人々の心を癒すための空間をつくっているんだよ」
いかがでしょうか。全く見方が違うように見えませんか。AさんとCさんを比べてみると、まるっきりその仕事に対するイメージは異なります。自分の仕事をAさんの言葉と捉えるか、Cさんの言葉と捉えるか、そこで将来への差は開くのです。
■チャンスがもらえる人は誰からも好かれている
業務に携わり始めて痛感することの一つは、人間関係の大切さでしょう。
特に上司から好かれることは、結果を残せるビジネスマンになるために大事です。なぜなら、最初は上司から仕事をもらうものだからです。そして、上司から好かれ、「こいつに任せてみよう」と思われてこそ、チャンスは巡ってくるのです。
しかし、スキルがあがったり、経験値が増えただけでは抜擢されません。なぜなら、上司の判断基準の中に「こいつは一緒に仕事をすると楽しそうだ」「こいつは自分に刺激を与えてくれそうだ」という要素が加わってくるからです。
だからこそ、普段から上司に自分の存在を認識してもらわなければいけません。
きちんと挨拶するといった基本的なことはもちろん、相手がされて嬉しくなるような気の利く行動を心がけるべきでしょう。
本書で著者は「ペーペーシップ」を磨けといいます。自分がペーペーであるということを強く意識し、模範的な新人らしく振る舞うのです。そうして上司の期待に応えていれば、チャンスをもらえるようになり、結果も少しずつ積み上がっていきます。
とにかく上司から気に入られることは、伝説の新人になるための重要な要素なのです。
慣れない人間関係に慣れない業務。毎日が新しいことだらけで、とにかく気苦労が多い新人時代。しかし、一番抑えておかなければいけないことは、周囲の人間関係と、自分の仕事に対する意識を高く持つことです。
今はきつくても、数ヵ月後、数年後、この経験が良い形で活きてくる場面があるかも知れません。そのときをチャンスと呼ぶのであれば、実践してみる価値は十分にあるはずです。
(新刊JP編集部)
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