家族や親しい友人に不幸なことが起こったり、悩んでいたりする時には、少しでも気が楽になる言葉をかけてあげたくなります。
ただ、相手が抱えている問題が深刻であればあるほど、何と声をかけていいのかわからず、結局は誰にでも言えるような一般論しか言えなかったという経験は多くの人が持っていることでしょう。
『心のわだかまりがなくなるほっこりサプリ』(中山和義/著、フォレスト出版/刊)は、過去や未来に対して漠然と抱える不安とどう向き合うかということをテーマに、実際にあったエピソードを紹介しています。
今回はその中からいくつかを紹介しますので、自分の友達がこのような状況に陥ったらどんな言葉をかけるかを考えてみましょう。
■フリーターの彼からプロポーズされて迷っている女性
彼女は旅行先で彼氏と知り合い、交際して一年後にプロポーズされました。彼のことは大好きだったのでその気持ちはうれしかったのですが、真剣に結婚を考えたことはなかったので、彼女はそのプロポーズを受けるべきか迷ってしまいました。
それに、彼氏はアルバイトをして生計を立てており、結婚したらお金で苦労することは明らか。相談した友人にも「結婚は恋愛とは違って、気持ちだけでは成り立たないわよ」と暗に反対されてしまいます。
あなたなら、この彼女にどんな言葉かけますか?
結果的に、彼女は母親の一言によって悩みをふっ切ることができました。
「あなたが幸せになるために結婚するなら、考え直しなさい。でも、この人となら一緒に苦労してもいいと思えるのなら、絶対に彼と一緒になりなさい」
彼女の母親は、迷う彼女にこんな言葉をかけたそうです。
将来への不安は、結局のところすべてを取り除くことなどできません。
しかし、彼女は母親の言葉によってその不安を明確にすることができ、自分の気持ちと不安要素を照らし合わせることで、自分の行動を決めることができたのです。
彼についていくと決めた彼女は、将来への不安から解放されたといえます。
■親の価値観から抜け出せずにいる人
これは、心理カウンセラーの衛藤信之さんが経験したエピソード。
心の病気で入院していた女の子のカウンセリングを受け持っていた衛藤さんでしたが、病室を訪ねると、いつも明るく楽しそうにテレビや雑誌の話をする彼女を見て「これならすぐに退院できるな」と思っていました。
しかしある日、彼女から「もう、病室に来ないでください」という手紙が届きます。
その続きには「先生が来たときに、つまらなかったらどうしようと思って、一生懸命楽しい話を考えていました。でももう疲れました」と書かれていました。
衛藤さんは、彼女のことを何も理解できていなかったことに気づき「無理に楽しくしないでもいいんだよ。ありのままのあなたと話をしたい」と返事を書いて、看護師さんに渡してもらいました。
彼女は、幼いころから親に「人前では明るくしなければいけない」といわれ続け、ありのままの自分を出せなくなって心の病気になってしまったのです。
心の病気になるほどではなくても、誰もが多かれ少なかれ親の価値観に影響されています。そのせいで今の自由をさまたげられているなら、「ありのままの自分でいいんだよ」と言ってあげることで相手の気持ちを楽にしてあげることができるのかもしれません。
問題を抱えている人との関係性によって適切なアドバイスは変わるため、今回取り上げた例をそのまま使えるわけではありませんが、本書は生きている限りは必ずつきまとう悩みや不安にどう対処すべきかを考えるヒントを与えてくれます。
掲載されているエピソードを読んで、自分ならどうするか、友だちがそんな状況に陥ったらどんな言葉をかけるかを考えることは、人生を幸せに過ごすためにきっと役立ってくれるはずです。
(新刊JP編集部)
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